研究課題/領域番号 |
20K15234
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
浦島 周平 東京理科大学, 総合研究院, 講師 (30733224)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 液/液界面 / 界面選択的振動分光 / 振動和周波発生 / 疎水性水和 / 液-液界面 / ヘテロダイン検出振動和周波発生分光法 / 油水界面 / 光干渉 / 和周波発生分光法 / 振動スペクトル / ヘテロダイン検出 / 振動分光 / 水和構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、これまで気/液・気/固・固/液界面にしか適用できなかった、「ヘテロダイン検出振動和周波発生分光法」と呼ばれる「界面の分子のみを選択的に観測できる」手法を液/液界面に応用する技術を開発する。これにより、代表的な疎水性有機溶媒であるトルエンと水の界面における振動スペクトルを測定し、疎水性溶媒に接している水が周囲の分子とどのような相互作用をしているのか、水素結合や分子配向の観点から解析する。
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研究成果の概要 |
ヘテロダイン検出振動和周波発生分光法を液/液界面に適用するために、計測セルの最適化を含めた光学系の構築を行った。モデル液/液界面として水/トルエン界面を用いたところ、セルの濡れ性や界面への光の入射配置の改善により、液/液界面からの和周波信号をヘテロダイン検出することに成功した。一方、この分光法では試料界面と参照界面の光路を一致させることが重要になるが、両者を測定する際の光学距離に許される誤差が約1μmと極めてシビアであることが判明し、その精度での計測には至らなかった。 以上、改善の余地はまだ残されたものの、液/液界面におけるヘテロダイン検出振動和周波発生分光法の確立に向けて一定の成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液/液界面は生体を含む自然界に幅広く存在するだけでなく、溶媒抽出や界面化学反応など工業的にも利用される。ところが、気/液や固/液界面などと比較して、液/液界面で分子がどのような構造を形成しているのかの情報は乏しかった。特に一方が水の場合は、疎水性溶媒との界面で水分子同士が強く水素結合を形成する疎水性水和の可能性が長く指摘されているものの、界面だけを選択的に計測することが困難であるために、分光学的にこれを観測した例は限られている。 本研究では、まだ改善の余地が残るものの、液/液界面選択的な振動スペクトルの計測を可能にする信号の検出に成功し、疎水性水和などの直接観測に向けた実験的足掛かりを得た。
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