研究課題/領域番号 |
20K15236
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
櫻井 敦教 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (90769770)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 和周波発生 / 走査トンネル顕微鏡 / 近接場 / 走査型近接場光学顕微鏡 / 探針増強 / 走査型近接場光顕微鏡 / 近接場光 / STM / 和周波発生分光 |
研究開始時の研究の概要 |
触媒反応や電極反応では、物質表面の分子の解離・吸着・拡散といった素過程が複雑に関わり合いながら反応が進行する。このような表面反応のメカニズムを理解するには、吸着分子種の局所的な構造情報を正確に知る必要がある。従来の遠視野による観測では、空間分解能が光の波長程度に制限され、分子種個々の吸着構造を知ることは不可能だった。そこで本研究では、表面選択的な振動分光法である和周波発生分光と近接場効果を利用して、物質表面の吸着分子の情報を高感度かつ高分解能で検出できる分光法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
極低温・超高真空で動作する走査トンネル顕微鏡(STM)の内部にレーザーを入射させ、蛍光・ラマン信号を検出できる光学系を構築した。つぎにMHzで発振する光源をベースにした、赤外光と可視光のパルスレーザー光源を準備し、両者を同軸でSTMチャンバー内に入射させることで、和周波発生(SFG)信号を検出可能とした。また、トンネル電流によって誘起された表面プラズモンに由来するSTM発光の観測にも成功した。STM発光のスペクトルを分子の振動モードに共鳴するように調整することで、探針増強ラマン信号を検出することも実現した。光源を切り替えることで、探針増強近接場SFG分光の開拓に取り組んでいる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、物質表面の不均一な構造や、吸着分子の配向といったミクロな構造を高い空間分解で観測することが可能となり、ミクロな局所構造が、マクロな反応性とどのように関わっているのかを、理解できるようになる。このような表面反応メカニズムの分子論的な理解は、物質表面のミクロな構造を制御することで反応の活性や選択性を高める新しいタイプの触媒の設計指針を与えることにも繋がると期待される。
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