研究課題/領域番号 |
20K15237
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
松崎 維信 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (70830165)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 量子もつれ光 / 蛍光寿命 / イメージング / FLIM |
研究開始時の研究の概要 |
蛍光寿命測定は、蛍光分子ごく近傍のナノメートルスケールの局所環境について知見を与える、ユニークな測定手法である。蛍光寿命は通常、パルスレーザーを光源として測定されるが、パルスレーザーには装置が大規模であるのに加え試料への光ダメージが大きいという欠点があった。本研究では、量子もつれ光というこれまで用いられてこなかった新規光源を活用することで、パルスレーザーの持つ欠点を回避しつつ、新しい測定原理に基づく蛍光寿命測定法を実現する。
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研究成果の概要 |
分子がどのくらいの時間をかけて蛍光を放出するかを調べる蛍光寿命測定は、分子近傍の局所環境に関する情報を与えるユニークな手法である。蛍光寿命測定では分子を決まったタイミングで光励起する必要があるため、光源としては通常、パルスレーザーが用いられる。これに対して本研究では、量子もつれ光における光子間の時間相関を活用することでも同様の測定が可能なのではないかという着想に基づき、量子もつれ光を光源とする新しい蛍光寿命測定装置の開発を行なった。開発した装置を用いることで、本研究で提唱した新しい測定原理に基づき、蛍光寿命測定、更にはその応用である蛍光寿命イメージングが可能であることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子もつれ光に代表される量子光は、古典電磁気学では記述することのできない特殊な状態の光であり、これまで分光測定にはほとんど用いられてこなかった新規光源である。このような新規光源は、従来の常識を覆すような新しい測定を実現できる可能性を秘めている。本研究では量子もつれ光を用いることにより蛍光寿命測定という時間分解測定を実現したが、これはまさに「時間分解測定にはパルスレーザーが必要である」という従来の常識を覆すものであり、学術的に興味深い成果である。
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