研究課題/領域番号 |
20K15246
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
仁子 陽輔 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 助教 (20782056)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 二光子励起蛍光イメージング / ナノエマルジョン / ピレン / 第二近赤外光 / 蛍光 / 生体二光子蛍光イメージング / 脳血管イメージング / ナノ粒子 / in vivo イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
二光子蛍光イメージングは生体深部観察に優れた造影技術であり、脳機能の解明をはじめとする様々な応用が期待されている。しかし、生体深部の撮像においてはフレームレートが低下する傾向にあり、そのため生体深部で生じる高速現象の観測が困難となる。この問題を解決するためには、微弱な励起レーザー光にも鋭敏に応答する、高効率二光子励起蛍光プローブが必要となる。そこで本研究では、申請者が独自に研鑽してきたピレンの誘導化技術および有機ナノ粒子作成技術を主軸とした『超高効率二光子励起蛍光ナノプローブ開発』を実施する。これにより、マウスの海馬領域の脳血流をも観測し得る、革新的な二光子蛍光イメージングを実現する。
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研究成果の概要 |
本研究では、生体二光子励起蛍光イメージング(2PM)における観察深度と観察速度の向上に向け、ピレン誘導体をナノエマルジョンに高密度集積させた新規超高輝度蛍光ナノプローブを開発した。高輝度な赤色発光性ピレン誘導体LipoPYF5を集積したナノプローブを用いてマウス脳血管の2PMを実施したところ、脳表面から1.5 mmの血管が観察され、汎用のローダミン誘導体を用いた場合(0.7 mm)と比べて飛躍的に観察深度を向上できた。また、第二近赤外光(1100 nm)で励起可能な新規ピレン誘導体NIR-LipoPYF5を用いたところ、最大で1.8 mm、すなわち海馬歯状回域の血管を観察することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、蛍光プローブの高輝度化が生体2PMにおける観察深度・観察速度の向上に重要であることを明らかにした。本研究中に開発したLipoPYF5集積型蛍光ナノプローブは、市販の二光子顕微鏡に備わっているレーザー・ディテクターにマッチしており、一般的なユーザーなら誰でも使用可能である。NIR-LipoPYF5集積型蛍光ナノプローブについては第二近赤外光を発振する高価なレーザーを必要とするものの、マウス脳海馬CA1領域全層の毛細血管を可視化する極めて高性能なものである。以上の点から、これら新規超高輝度蛍光ナノプローブは生物医学的研究、特に脳血管疾患の病態解明に有用なツールになると期待される。
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