研究課題/領域番号 |
20K15248
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 鳥取大学 (2022) 東京理科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
赤松 允顕 鳥取大学, 工学研究科, 講師 (70801182)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 界面活性剤 / 分子集合体 / 光応答 / 可溶化 / 放出制御 / 光異性化 / ロフィンダイマー / 物質放出 |
研究開始時の研究の概要 |
光刺激により自在に崩壊・形成を制御できる分子集合体は、薬剤や有効成分の送達システムへ応用できる。本研究では、目的とするタイミングに必要な量だけ物質放出できるオンデマンドな送達システムを構築するため、分子集合体構造の高速光制御に取り組む。この目的を達成するため、分子集合体内部の環境を活用し、両親媒性ロフィンダイマーが形成するミセル構造を高速で変化させ、ミセル中に可溶化されたモデル薬物の放出制御を高速で成し遂げる。分子集合体構造の高速光制御を達成することで、医薬品から化粧品や日用品、さらにはデバイス材料といった幅広い分野への応用展開が可能となる。
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研究成果の概要 |
目的とするタイミングに必要な量だけ物質放出できるオンデマンドな送達システムを構築するため、両親媒性ロフィンダイマーが形成する分子集合体構造の光応答性とモデル薬物の放出能を評価した。in situ小角中性子散乱(SANS)測定の結果、形成するミセルは紫外光ON-OFFにともない高速で伸縮することを見出した。さらに、この高速光応答性のミセルを用いることで、可溶化したモデル薬物であるカルセインやナイルレッドを迅速に放出制御することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、光刺激を利用した薬物放出システムの速度に着目し、その高速化に成功した初めての例である。分子を集合させるとフォトクロミック反応の反応率や速度が低下する従来の分子設計から脱却し、ロフィンダイマーの反応形式を逆手に取り、高速光応答性分子集合体の構築に成功した。オンデマンド性の高いドラッグデリバリーシステム(DDS)に限らず、その高速光応答性を生かした有効性成分の送達、濡れや接着性の制御、UVインク、光分子メモリ、光学材料などの開発にも本知見は活用できる。
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