研究課題/領域番号 |
20K15252
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020) |
研究代表者 |
相澤 直矢 大阪大学, 工学研究科, 助教 (60754918)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 励起状態 / 項間交差 / 熱活性化遅延蛍光 / スピン-軌道相互作用 / 構造最適化 / スピンー軌道相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ナノ秒オーダーの逆項間交差を示す熱活性化遅延蛍光 (TADF) 材料を開発を目的とする。これにより、貴金属を含む従来のリン光デバイスを凌ぐ高輝度かつ高効率な有機ELデバイスを実現する。この目的を達成するために、逆項間交差が最も起こりやすい一重項および三重項励起状態のポテンシャルエネルギー面の交差構造において、スピン反転の駆動力となるスピンー軌道相互作用を考慮した励起状態計算により、逆項間交差の速度定数を算出し、新規分子の理論設計を行う。さらに、設計した分子の合成から光物性・有機ELデバイス特性評価までの一貫した実験研究を推進する。
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研究成果の概要 |
次世代の有機EL材料として注目さている熱活性化遅延蛍光(TADF)材料は、通常発光しない励起三重項状態から発光可能な励起一重項状態への遷移である逆項間交差により、有機ELの内部量子効率を100%まで高めることが可能である。しかし、吸熱的な遷移である逆項間交差がTADFを律速し、その寿命は通常の蛍光と比べて非常に長いマイクロ秒に留まっている。本研究では、項間交差構造の最適化計算により、1マイクロ秒以下のTADF寿命を示す材料の開発に成功した。さらに、貴金属を含む従来のリン光材料を凌ぐ高輝度かつ高効率な有機EL素子を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、理論計算が先導する効率的な材料開発を行った。そのために、これまで困難であった逆項間交差の速度定数を低コストで予測する計算手法を提案し、材料合成から光物性・デバイス特性評価までの一貫した実験研究により、その有用性を実証した。速い逆項間交差を示す純有機TADF材料を学術・産業界に提案するとともに、理論先導型研究の一例として、ものづくりを基盤とする科学技術および産業の発展に貢献した。
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