研究課題/領域番号 |
20K15253
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北本 雄一 東北大学, 工学研究科, 助教 (50781382)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | プラナートリフェニルボラン / 芳香族求核置換反応 / ルイス酸 / センシング / 固体電解質 / リチウムイオン伝導率 / ボレート錯体 / ホウ素 / ボラート錯体 / リチウム伝導 / 有機電子材料 / 位置選択的リチオ化 / トリアリールボラン / リチオ化 / 平面構造 / 蛍光 / プラナーボラン / 機能性発光材料 / イオン伝導体 |
研究開始時の研究の概要 |
光・電気エネルギーを変換・輸送・蓄積する材料は、環境調和型の技術を開発する上で重要である。本研究では、3つのアリール基を環状に架橋することで構造を安定化した平面分子構造のトリアリールボラン(プラナーボラン)に着目し、種々の架橋基をもつプラナーボランの自在な合成法を確立する。得られたプラナーボランをユニットとして二量体ホスト分子やポーラス材料を合成し、ゲストとの電子(エネルギー)移動による発光センシング材料や、金属イオンの輸送によるイオン伝導体の開発を目指す。本研究の実現により、プラナーボランを電子移動やイオン伝導材料として用いることが可能となり、光・電子機能性材料など広範な分野に貢献できる。
|
研究成果の概要 |
トリアリールボランはホウ素に由来する高い電子受容性を示すことから,機能性材料の開発に重要な分子群である.申請者は,フェニル基のオルト位どうしを酸素原子で架橋した「プラナートリフェニルボラン」の合成に成功しており,この分子はホウ素を立体的に保護しなくても安定に存在する.本研究では,酸素原子や窒素原子により架橋した類縁体の合成法を確立した.また,これらの分子は種々のハロゲン化物イオンや分子アニオンに対してボラート錯体を形成し,リチウムイオンが移動する固体電解質として0.001 S/cmを超える伝導率を示した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トリアリールボラン類は,センシング材料や有機電子材料など幅広い機能性材料に電子受容性を付与する特性を有している.本研究で確立した合成法は,立体保護を施したトリアリールボランの利用という従来の制限を解消するものであり,含ホウ素機能性材料の発展に寄与するものと考えられる.また,本研究で明らかにしたプラナートリフェニルボランのユニークなボラート錯形成能は,錯形成を機能発現の鍵とするセンシングやイオン伝導体などの様々な分野に新たな選択肢を与えるものであり,今後の研究を通じて固体電解質などの高機能化への貢献が期待できる.
|