研究課題/領域番号 |
20K15255
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山科 雅裕 東京工業大学, 理学院, 助教 (80847153)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 両親媒性分子 / 分子内包 / アザイリド / シュタウディンガー反応 / 自己集合 / 蛍光性 / 分子ピンセット / ホストーゲスト / 超分子ポリマー / 蛍光 / ホストゲスト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アントラセン環とジインで構成されたダブルピンセット型分子の機能開拓に取り組み、分子包接に立脚した低分子と高分子系の蛍光材料の開発を目的とする。これまで様々な分子ピンセットが報告されてきたが、「蛍光性」と「2つの分子包接部位」を併せ持つ分子ピンセットはほとんど例が無い。本研究では、アントラセン環を柔軟なジインで連結した蛍光性ダブルピンセット型分子に着目し、その分子間相互作用に起因した特異蛍光性と、包接錯体形成の様式の差を活用した、新規超分子蛍光材料の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
両親媒性分子は、水と結びつきやすい親水部位と、水をはじき油と結びつきやすい疎水部位とを有する分子であり、洗剤などに使われる界面活性剤、食品、また化粧品や医療品といった製品に幅広く用いられている。本研究では、シュタウディンガー反応に着目し、予め合成した親水性アジド化合物と、様々な疎水性リン化合物を混ぜるだけで連結し、簡便に両親媒性分子へと変換する手法の開発に成功した。得られた両親媒性分子を水に溶かすと、約2ナノメートルの球状の集合体を形成していることが各種分析により明らかとなった。また、ナイルレッドなどの疎水性色素分子を水中で取り込み、水溶化させることにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、シュタウディンガー反応を用い、親水性アジ化物と疎水性リン化合物をアザイリドで直接連結することで、前例のない両親媒性分子の簡便な合成法の開発に成功した。リン化合物は有機合成で幅広く使われており、その有用性・汎用性の高さから膨大な種類が販売・報告されている。即ち本成果は、アジ化物とリン化合物の組み合わせ次第で、両親媒性分子に留まらず、多種多様な機能性分子の創出手段の一つになることが期待される。今後は、アザイリドの特異的な反応性や化学的性質を通じて、アジ化物とリン化合物の性質を融合させた新材料を開発していく計画である。
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