研究課題/領域番号 |
20K15259
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 大貴 京都大学, 工学研究科, 助教 (10845019)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非ケクレ分子 / メソイオン / 等電子体 / ねじれ / 分子間相互作用 / ラジカル / 超分子 / 芳香族性 / π共役系 / lp/π*相互作用 / メソイオン性 |
研究開始時の研究の概要 |
非ケクレ型分子は形式的に結合に関与できない電子を複数有するため、多くの場合に開殻性を示し、様々な機能性分子として利用されてきた。一方で、非ケクレ型であるにも関わらず開殻性を持たない電子構造として、正電荷と負電荷を有する双性イオン型構造も考えられる。その中でも正負の電荷がそれぞれ分子全体に非局在化したメソイオン構造は一般に高い反応性を示すことから、反応中間体として利用されてきたがその機能展開はほとんど行われてこなかった。本研究では合成が容易かつ安定なメソイオン型共役系化合物を創製し、体系的な調査により開殻性や芳香族性の本質に迫りつつ、特異な電子構造・スピン状態に着目した斬新な機能性を開拓する。
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研究成果の概要 |
有機化合物は分子を構成する原子の並び方(構造)によってその性質を変化させます。無限に存在する分子の構造や元素の組み合わせにより、まさに無限に新材料が存在します。有機化合物の分子構造を体系的に分類すると、ほとんどの分子はすべての原子が結合またはペアを組んでいる「ケクレ分子」と呼ばれるグループに属す一方で、そうでない「非ケクレ分子」もごく僅かに存在します。それらはケクレ分子には無い有用な電気、磁気、光特性を示すことから、次世代の材料として注目されています。 この研究ではこれまでほとんど研究されていない「メソイオン性」を有するさまざまな非ケクレ分子を合成し、その性質を示すのか調査することができました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではラジカルやイオンの寄与なしで構造を描くことができない非ケクレ分子の中でも、あまり研究の進んでいないメソイオン型の電子構造を有する有機化合物の設計、合成、物性調査に取り組みました。その結果、メソイオン性を導入することにより、ジラジカル型の比較分子とは大きく異なる電気、磁気、光学特性を示すことを明らかにしました。 また、この研究の中でこれまでに合成された化合物の中でも最大級にねじれた3次元構造をもつ化合物の合成も達成しました。この分子は大きくねじれた構造に由来して、固体中では直行型の珍しい積層構造を形成することも明らかにしました。
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