研究課題/領域番号 |
20K15262
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
宮崎 隆聡 福岡大学, 理学部, 助教 (70788504)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 多環芳香族炭化水素 / 蛍光ソルバトクロミズム / 構造有機化学 / π電子材料 / 吸収・蛍光 / 光物性 / 有機π電子 / ドナー-アクセプター / 有機π電子系 |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンやカーボンナノチューブの構成単位である多環芳香族炭化水素はベンゼン環の縮環形式によって異なる構造を持ち、その構造に起因する吸収・発光特性、非線形光学特性、半導体特性を示す。本研究ではY字型縮環多環芳香族炭化水素を新たに設計し、その合成と機能発現、アクセプターの導入といった分子修飾による系統的評価を行う。具体的には、(i) Y字型縮環多環芳香族炭化水素の合成、(ii) 吸収・発光特性、非線形光学特性、有機半導体特性の評価、(iii) 親水基の導入による水中でのミセル形成と光化学的性質および疎水場の電子的性質 の3点を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、Y字型の多環芳香族炭化水素を基盤とした機能性分子の創造を目指した。2,3-ナフタルイミドにベンゾチオフェンまたはベンゾフランを2つ縮環させたpush-pull型の化合物を合成し、その光物性を明らかとした。目的化合物は市販試薬より3段階で合成することができた。また、種々の溶媒を用いて吸収と蛍光スペクトル測定を行ったところ、溶媒の種類によって蛍光色が変化する蛍光ソルバトクロミズム特性を示すことを明らかとすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、push-pull型のY字型多環芳香族炭化水素は容易に合成可能であり、さらにそのように合成された化合物が蛍光ソルバトクロミズム特性を示すことを明らかとすることができた。これは多環芳香族炭化水素に機能性を付与するにあたり、ひとつの分子設計の指針となることが期待できる。また、今回見出された蛍光ソルバトクロミズム特性は蛍光イメージング等に応用可能なものであることから、本成果を基盤とすることでさらなる優れた有機機能性材料の開発に貢献するものと期待できる。
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