研究課題/領域番号 |
20K15268
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
東田 皓介 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任助教 (20845466)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 協働触媒 / 異種二核錯体 / 量子化学計算 / 求核付加反応 / C-O結合活性化 / 協働作用触媒 / 協働触媒作用 / 遷移金属錯体触媒 / カップリング反応 |
研究開始時の研究の概要 |
炭素―酸素結合活性化を担う典型金属と、炭素―酸素結合切断反応を担う後周期遷移金属を組み合わせた機能性二核錯体触媒による強固な炭素―酸素結合の変換反応の開発に取り組む。量子化学計算によって触媒活性への知見を得ながら、実験化学による触媒の活性評価を行い合理的に高活性な触媒を開発する。メトキシベンゼンやフェノールなどの炭素―酸素結合を有する単純な芳香族化合物を基質としたカップリング反応に着手し、高活性な触媒を探索する。
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研究成果の概要 |
ニッケルとマグネシウムの協働作用によって不活性なC-O結合を活性化し、メトキシナフタレン類のホモカップリング反応を温和な条件下で進行させることに成功した。本反応における協働作用を経る反応機構はDFT計算によって妥当性が確認された。また、これらの研究成果をもとに、新たな協働作用触媒の雛形となる配位子を作ることで、有機塩基と銀を組み合わせた酸-塩基協働作用触媒の開発に成功し、さらに本触媒系を金と亜鉛の異種二核錯体触媒へと発展させ、金属間の協働作用によって求核付加反応を強力に促進する触媒の開発にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
触媒を用いた変換反応は、単純な有機反応では実現できない高難度変換反応を具現化し、それによって従来利用が困難であった資源の利用や化学反応の省エネルギー化に貢献することができる。本研究で得られた成果は、石油代替資源として注目されているリグニンに豊富に含まれる不活性なC-O結合を温和に活性化する手法であり、さらに発展させることで未来のエネルギー問題の解決に貢献できる成果といえる。また、本研究で見出した協働作用触媒の雛形となる配位子系は、上記の様な高難度反応を達成する協働作用触媒への応用が期待できることから、学術的のみならず社会への貢献も期待できる成果である。
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