研究課題/領域番号 |
20K15270
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梅宮 茂伸 東北大学, 理学研究科, 助教 (10802754)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マクロリド / 有機触媒 / 不斉アルドール反応 / 構造決定 / 天然物 / 全合成 / 不斉触媒反応 / 生物活性 |
研究開始時の研究の概要 |
amphidinolide Nと呼ばれる天然有機化合物は、ヒト扁平上皮癌細胞に対して極めて強力な活性を有している。これまでに知られている中で最強の抗腫瘍活性があることから、新規抗がん剤のリード化合物として世界的に注目されている。しかし、現在では天然から入手が不可能であり、その真の立体構造と活性部位・活性発現機構は未解明のままである。本研究では有機合成により化合物の供給を行い、その強力な抗腫瘍活性の発現機構解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
申請者はC7位エピマー体の合成ルートを改良し、中間体であるC1-C13フラグメントをデカグラムスケールで合成する事に成功した。また、この合成法ではC7位エピマーだけでなく、C10位のエピマー対についても発散的に合成することができ、4つの異性体を全てグラムスケールで合成することに成功した。また、既に合成及び構造決定を行っていたC7位のエピマー体について、昭和薬科大学の久保田教授との共同研究により、その生物活性について調査した。その結果、KB cellに対してIC50=6 μg/mL、L1210 cellに対してIC50=2.8 μg/mLの活性を示すことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでamphidinolide Nは強力な生物活性を有している事が知られていたが、実際にその全体構造を合成し、活性評価をした例はなかった。今回初めて全体構造を有する化合物の活性評価を行う事に成功し、オリジナルと比べて弱いものの抗腫瘍活性を持つことを明らかとした。これにより、本化合物の立体が活性に与える影響が極めて大きい事が示唆された。本研究を通し、amphidinolide Nのような複雑なマクロリドを大量供給する手法が確立されたとともに、その生物活性試験を実施できたことは、有機合成化学のみならず、天然物化学や医学・生物学への波及効果があったとみなすことができる。
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