研究課題/領域番号 |
20K15272
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北之園 拓 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (50755981)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | π電子材料 / Lewis酸 / 水中反応 / 不斉反応場 / 不均一系触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題ではLewis塩基点を持たないCNTを活用し、CNTへの強い物理吸着能を活用することで高活性な水和キラルLewis酸点を疎水的且つ濡れ性を帯びたCNT表面上に担持させ、困難な活性・不斉環境の維持と回収・再使用性との両立を狙う。まずこれまでに例のないキラルスカンジウム触媒の回収・再使用を、漏出を抑制することが最も困難な水中反応にて、不斉配位子を担持することなく達成することで触媒の頑強性を示し、水中でも使用可能な、頑強で高活性な不斉Lewis酸触媒のための一般手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
キラルLewis酸触媒の非共有結合的固定化を達成すべく水中有機反応に着目し、不斉配位子の化学修飾に依らず、高活性な水和キラルLewis酸点を疎水表面に担持させることで活性と不斉環境の保持を図った。結果、ポリアニオン性ポリマーやカーボンナノチューブ(CNT)に担持したキラル触媒が良好な立体選択性を与えることを見出した。特に前者は水中で必要成分(水に不溶な固体)を混合し攪拌するだけで自己組織化が進行し、プラズマ処理やボールミルなどの機械的応力を必要としない。孰れも水中特異的な触媒系の開発であり、更なる発展が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学資源の枯渇や化学系廃棄物に対する懸念、またカーボンニュートラル社会に向けた取り組みを背景として、有機化学の分野では、合成手法の合理化による環境負荷の低減が強く求められている。キラルLewis酸は、医薬品や化成品などの迅速合成を可能にする触媒的不斉合成に広く用いられているが、その回収・再使用を可能にするための固定化(不溶化)技術には、活性や不斉環境を維持と金属や配位子の漏出抑制との両立という根本的な課題があった。本研究課題では、煩雑な合成を要する不斉配位子の化学修飾に依らず、活性な金属錯体を固定化する手法について、様々なアプローチから研究を行い、水中特異的な興味深い知見が多数得られた。
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