研究課題/領域番号 |
20K15274
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安川 知宏 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (40755980)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 不均一系触媒 / 金属ナノ粒子 / フロー反応 / 窒素ドープカーボン / 不斉触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
不均一系触媒を用いたフロー法によるファインケミカルズの連続合成は有力かつ持続可能な手法であるが、不斉結合生成反応で実現した例は非常に限られている。本研究では、ヘテロ元素ドープカーボンをはじめとする担体に固定化した金属ナノ粒子触媒と有機分子触媒との協働触媒作用を活用した新たな不斉合成のアプローチを開拓する。得られた触媒系により、長時間運転可能なフロー法による非天然キラルアミノ酸などの有用キラル分子の連続合成の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
窒素ドープカーボン担持Rhナノ粒子触媒を開発し、キラルリン酸を共触媒としたカルベノイドのN-H結合への不斉挿入へ適用した。様々な種類のキラルなα-アミノ酸誘導体を高いエナンチオ選択性・高収率で合成することに成功した。連続フロー反応にも適用可能であり、90時間以上にわたって目的物が効率的に得られた。本反応は、窒素ドーパントを含まない担体に固定化したRhナノ粒子ではほとんど進行しなかった。これは、窒素ドーパントが配位修飾能を持つ担体と機能し、金属種を活性化していることを示唆している。このような窒素ドープカーボン担体の特異的な性質を活用し、種々のC-C結合生成反応に展開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属ナノ粒子は従来、有機合成化学においては、解離した錯体触媒が凝集してできた不活性な残骸と捉えられることもあり、精密な不斉合成に用いるのは難しいと考えられてきた。これを覆し、不均一系触媒による精密有機合成の新概念を創造する事を目標とした。本研究では、創薬で重要なキラル非天然アミノ酸誘導体を合成ターゲットとし、新規金属ナノ粒子触媒の開発を行った。ナノ粒子触媒の物理的安定性を生かし、長時間運転可能なフロー法による連続合成が実現した。これは、工業スケールでのクリーンな有機合成の新手法として期待される。
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