研究課題/領域番号 |
20K15277
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2022) 大阪大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
長江 春樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (40779005)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アミド結合 / トランスエステル化 / C-H空気酸化 / 光触媒 / 多核錯体 / デュアル触媒 / 非天然アミノ酸 / アルコキシ架橋錯体 / 多核金属錯体 / 異種金属錯体 / アミド結合活性化 / エステル交換反応 / 二酸化炭素 / 交互共重合 / 空気酸化反応 / 異種金属二核錯体 / 異種金属四核錯体 / 空気酸化 / アミド / エステル化 / マンガン / カリウム / ニッケル / 銅 / 異種二核金属錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、従来の触媒成分である貴金属を、より安価で豊富に存在する卑金属で置き換える元素戦略が喫緊の課題となっている。本研究では、2個以上の卑金属を多核金属錯体として用いることにより、複数の卑金属の協奏的な相乗作用を活かすことで、アミドの安定な炭素―窒素結合切断による触媒的エステル化反応とエステルからアミドを合成する触媒的アミド化反応を達成する。さらに、本触媒反応における鍵中間体の単離、速度論解析ならびに量子科学計算を駆使することで詳細な反応機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、二核卑金属錯体触媒の開発を研究目的とし、アルコキシ基で架橋された四核キュバン型卑金属錯体前駆体やマンガンーカリウム異種金属二核錯体を触媒としたアミドの切断反応について研究を進め学術論文として報告した。また、類似の亜鉛4核金属錯体や1つの希土類金属と3つのニッケルを含有する異種4核金属錯体を用いることで、これらの錯体が化学選択的なトランスエステル化や、炭素水素結合の空気酸化反応の光触媒として機能することを見出した。また、ニッケル錯体と銅錯体の2つの金属錯体をデュアル触媒とした、高立体選択的な非天然アミノ酸誘導体の合成方法を確立し、学術論文として報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、医薬品や高分子材料などに含まれるアミド結合の変換反応(アミドのエステル化反応、アミド合成反応)に優れたアルコキシ架橋二核卑金属錯体触媒系を開発することを目的とし、マンガン二核錯体やマンガン―カリウム異種二核錯体を用いることで、これまでよりも温和な条件でアミド化合物などをはじめとするカルボニル化合物の変換反応を達成した。さらに、光や空気中の酸素を用いることで有機物を酸化し、メチレン部位をカルボニルに変換する触媒や非天然アミノ酸誘導体を高い立体選択性で合成するデュアル触媒の開発を通し、複核卑金属錯体の持つ特異な触媒機能を明らかにし、従来の貴金属触媒を凌駕する反応系の構築に成功した。
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