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ホウ素アート錯体のメタレート転位を歪んだπ結合で駆動する多成分連結型反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K15282
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分33020:有機合成化学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

溝口 玄樹  岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (90818519)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード有機ホウ素化合物 / 多成分連結反応 / アライン / ケテン / アート錯体 / アルキルボロン酸 / 1,2-メタレート転位 / 炭素ー炭素結合 / アニュレーション / ベンザイン / シクロプロペン / 炭素ー炭素結合形成反応 / カップリング反応 / シクロプロペニルボロン酸 / ホウ素アート錯体 / クロスカップリング
研究開始時の研究の概要

有機ホウ素化合物は、現代の有機合成化学におけるビルディングブロックとして、またホウ素医薬品などの機能性分子として不可欠な化学種である。本研究では、ビニルボロン酸エステルアート錯体のメタレート転位に着目し、歪んだπ結合の化学と融合することで、構造多様な有 機ホウ素化合物を簡便に構築可能な新規カップリング戦略を提案する。歪んだ三重結合を持つアラインの反応性を引き出し、最大3本の炭素―炭素結合を形成しながら求核剤・ビニルボロン酸エステル・アライン・求電子剤の四成分を連結可能なカスケード反応により、高度に置換されたアルキルボロン酸の迅速かつ立体選択的な合成プロセスを開発する。

研究成果の概要

複雑な構造を持つアルキルボロン酸誘導体は、天然物や医薬品などの生物活性分子や機能性分子を合成するための中間体や、機能性分子とのものとして重要な分子群である。本研究では、ビニルボロン酸エステルアート錯体のメタレート転位を伴うカップリング反応を開発することで、これらを簡便に供給可能な合成手法の開発を目指した。歪んだπ結合を求電子剤として活用することで、多成分連結型の反応が可能であることを見出し、アラインと利用するアニュレーション型のカップリング反応や、ケテンを利用する四成分連結型のカップリング反応を開発した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

ビニルボロン酸エステルアート錯体の炭素求電子剤をトリガーとするカップリング反応は、複雑な炭素骨格を持つアルキルボロン酸の合成法として注目されている。金属触媒やラジカルを用いる例が知られているが、これらは求電子剤側が強く活性化されているため、カップリング体はそれ以上反応しない。本研究で開発した反応では、カップリングによってπ結合が切断され、ホウ素によって安定化された新たな活性種が生じるデザインとなっているため、ワンポットにて更なる結合形成が可能な点で新規性がある。このように、より置換基が多く、官能基化されたホウ素化合物を一挙に合成できるため、医薬品や機能性分子の合成を加速できると期待される。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Annulative coupling of vinylboronic esters: aryne-triggered 1,2-metallate rearrangement2022

    • 著者名/発表者名
      Mizoguchi Haruki、Kamada Hidetoshi、Morimoto Kazuki、Yoshida Ryuji、Sakakura Akira
    • 雑誌名

      Chemical Science

      巻: 13 号: 33 ページ: 9580-9585

    • DOI

      10.1039/d2sc02623f

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Strain-release Difunctionalization of C-C σ- and π-bonds of an Organoboron Ate-complex through 1,2-Metallate Rearrangement2021

    • 著者名/発表者名
      Haruki Mizoguchi, Akira Sakakura
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 50 号: 4 ページ: 792-799

    • DOI

      10.1246/cl.200926

    • NAID

      130008025853

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Synthesis of functionalized cyclopropylboronic esters based on a 1,2-metallate rearrangement of cyclopropenylboronate2020

    • 著者名/発表者名
      Haruki Mizoguchi, Masaya Seriu, Akira Sakakura
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 56 号: 99 ページ: 15545-15548

    • DOI

      10.1039/d0cc07134j

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ホウ素アート錯体のメタレート転位を利用する分子構築法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      溝口玄樹
    • 学会等名
      2022年日本化学会中国四国支部大会 広島大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] シクロプロペニルボロン酸エステルアート錯体の1,2-メタレート転位を利用する七員環構造の構築2022

    • 著者名/発表者名
      芹生将哉,溝口玄樹,坂倉彰
    • 学会等名
      日本化学会第102春季年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] ホウ素アート錯体の1,2-メタレート転位を活用するカップリング反応の開発2021

    • 著者名/発表者名
      溝口玄樹
    • 学会等名
      若手研究者のための有機化学札幌セミナー
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ビニルボロン酸エステルアート錯体とアラインを組み合わせる多置換アルキルボロン酸合成法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      鎌田 英寿、森本 一樹、吉田 竜士、溝口 玄樹、坂倉 彰
    • 学会等名
      日本化学会 第101春季年会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] アラインをトリガーとするビニルボロン酸エステルアート錯体の1,2-メタレート転位における基質適用範囲および反応機構研究2021

    • 著者名/発表者名
      溝口 玄樹、森本 一樹、鎌田 英寿、吉田 竜士、坂倉 彰
    • 学会等名
      日本化学会 第101春季年会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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