研究課題/領域番号 |
20K15284
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
林 裕樹 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任助教 (90802223)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 計算科学 / 量子化学計算 / 反応経路予測 / 含窒素複素環化合物 / 環化付加反応 / 脱芳香族化反応 / 三成分連結反応 / ジフルオロカルベン / ラジカル / 還元的カップリング / 環化反応 / 分子触媒 / 脂環式アミン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脂環式アミンの合成に有用な新規ラジカル環化反応の開発を目的とする。脂環式アミンは、医農薬や生物活性天然物に含まれる重要な分子骨格である。これまでに、様々な環構造の構築手法が開発されてきたものの、7員環や8員環などの中員環骨格の合成にも適用可能な例は非常に限られている。今回、入手容易なオレフィンとイミンを基質として用いて、6,7および8員環構築に有効な還元的ラジカル環化反応の開発を目指す。本手法の確立は、これまで供給困難であった有用分子骨格の汎用性の高い供給法となり、生物活性に関する研究や創薬研究に大きく貢献することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、様々な医薬品に含まれる含窒素複素環の骨格構築を指向した新規ラジカル環化反応の開発に取り組んだ。まず、所属のWPI-ICReDDの基幹技術である人工力誘起反応法(AFIR法)を用いた量子化学計算により、ターゲット骨格を構築可能な反応経路を調べた。その結果、有望なラジカル反応に加えて、ジフルオロカルベンを含む三成分環化反応も算出された。この三成分反応の生成物であるフッ素化含窒素複素環化合物は、医薬品候補化合物として期待できるが、その構築手法は非常に限られていた。そこで、この計算結果を基に実験での具現化を検討し、ピリジンの脱芳香族化を伴う環化付加反応を開発することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、計算科学を駆使してあらかじめ化学反応を予測し、得られる計算結果を指針として新規三成分環化反応の開発に成功した。この開発プロセスは、従来のトライアンドエラー型のアプローチと一線を画し、次世代型の開発手法として関連研究分野の発展に影響を及ぼすことが予想される。また、本研究で開発した三成分環化反応の生成物は、窒素に隣接する炭素上に2つのフッ素原子を有する含窒素複素環化合物であり、医薬品候補化合物として創薬研究に貢献することが期待できる。
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