研究課題/領域番号 |
20K15287
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
内倉 達裕 学習院大学, 理学部, 助教 (50867869)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | EDA錯体 / 水素原子移動 / 光電子移動 / ラジカルクロスカップリング / 水素原子移動触媒 / 光触媒反応 |
研究開始時の研究の概要 |
光触媒を利用した一電子移動 (SET)や、水素移動 (HAT)反応は、近年目覚ましい発展を遂げている。また、これらの触媒を組み合わせることによって、一電子移動ののちに起こす水素移動を経由した、炭素-炭素結合形成反応は、有機合成化学の分野においても多くの興味を集めている。本研究では、電荷移動相互作用を利用することにより、一電子移動 (SET)と水素移動 (HAT)を同時に行うことができる触媒を用いた、可視光駆動型炭素-炭素結合形成反応システムの開発を目指す。具体的には、非常に安価に入手可能なフェノール誘導体を触媒として用いることで、合成化学的にも有用な反応を視野に入れている。
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研究成果の概要 |
本研究では、フェノールを触媒として用い、Electron Donor-Acceptor (EDA)錯体を経由した、可視光駆動型一電子移動(SET)および水素原子移動(HAT)を組み合わせた反応系の開発を目的とし、フェノールとアリールハライドのEDA錯体からアリールラジカルを利用することによって、EDA錯体を経由する一電子移動 (EDA-SET)とHATを組み合わせた光反応系を見出すことに成功した。すなわち、各種アルカンおよび電子不足芳香環に対し、フェノール-アリールハライド錯体の存在下可視光を照射することで、炭素-炭素結合形成が進行した生成物が得られることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果のようなEDA-SETとHATを組み合わせた光反応系はこれまでに報告がなく、本反応が初めての例となる。また、本研究の中で、EDA-SET/HATを利用した炭素-硫黄結合形成反応を報告しており、EDA錯体の構成要素を調節することによって様々な反応系への応用が期待できる。また本反応は、高価な金属錯体や、高反応性の試剤を用いることなく、フェノールとアリールハライドという安価で温和な試薬のみを用いて進行する炭素-炭素結合形成反応として、有機合成化学において重要な位置付けとなると考えられる。
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