研究課題/領域番号 |
20K15288
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東北大学 (2021) 中央大学 (2020) |
研究代表者 |
金本 和也 東北大学, 薬学研究科, 助教 (90849100)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ペプチド / アゾメチンイリド / N-末端 / 環化付加反応 / クリックケミストリー / イミノペプチド / 銅触媒 / ペプチド修飾 / N末端修飾 / クリック反応 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,タンパク質などに機能性分子を導入し,生命現象の解明や治療薬などに利用する研究が盛んに行われている.その一方で,タンパク質にはリシン残基などに由来する求核性部位が多数含まれるため,望みの箇所を選択的に修飾することは困難を極める. これに対して,本研究課題では,ペプチドのN末端の構造的特徴を認識してアゾメチンイリドを選択的に発生させ,1,3-双極子環化付加反応に利用する手法を開発する.本手法は,N末端選択的に強固な結合を形成できることに加えて,幅広いアミノ酸残基に利用できると見込まれる.加えて,三成分を集積できる新たな手法として,多彩な生命科学研究を強く後押しすると期待される.
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研究成果の概要 |
アミノ酸誘導体から発生可能な1,3-双極子であるアゾメチンイリドに着目し,これを発生させる構造的な要件を利用して,N末端で選択的に強固な結合形成を行えるペプチド修飾法の開発を行った.検討の結果,Cu触媒系において,イミノペプチドとマレイミドを用いる1,3-双極子環化付加反応が円滑に進行し,定量的かつ完全なジアステレオ選択性でピロリジン型の生成物を与えることが明らかとなった.本反応は幅広いイミン部位やマレイミド部位に適用できるのみならず,多彩なケミカルバイオロジーツールや,変換可能な置換基とも共存できた.この結果から,多彩な用途への利用が期待できる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペプチド構造はタンパク質などを構成する重要な構造であり,イメージングや機能性分子の創出などの観点から修飾法の開発が求められている.一方で,多彩な反応点や相互作用が存在することから,位置や個数選択的に修飾を行うのは未だ容易ではなかった. これに対して,本研究課題では,1,3-双極子のアゾメチンイリドを,通常1カ所しかないN-末端のみで選択的に発生させられることを明らかにし,これを環化付加反応に効率的に利用することに成功した.本手法は,位置選択的な新たなペプチド修飾法として,ペプチドへの蛍光分子などの機能性分子の選択的な連結を可能にするため,多彩な生命科学研究への利用が期待される.
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