研究課題/領域番号 |
20K15289
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京都立大学 (2022) 東京理科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
荻原 陽平 東京都立大学, 理学研究科, 特任准教授 (00734394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | チオフェン / 鉄触媒 / ジイン / 単体硫黄 / 環化 / 金属錯体触媒 / ポリマー合成 / ポリマー分解 / アルキン / [2 + 2 + 1]環化付加 / 触媒 / 触媒反応 / 有機合成 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに数多くの優れたポリチオフェン合成反応が開発されてきた。しかし、そのほとんどは「チオフェン環を連結する」という古典的な原則からは脱却しておらず、依然としてカップリングに基づいた単一の方法論に依存していると言わざるを得ない。そこで、チオフェン環を「つなぎながら」重合する従来法に対し、本研究ではチオフェン環を「つくりながら」重合できる触媒反応を新しく提案する。
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研究成果の概要 |
触媒的な[2+2+1]環化による新機軸のポリチオフェン合成法創出を目指し研究を行なった。まず、基質であるジインの簡便かつ一般的な合成法開発を行ない、市販の汎用試薬から1-2工程で種々のジイン誘導体を合成した。この合成法を用いて、立体的あるいは電子的性の異なる様々なジイン類の合成に成功した。合成した種々のジイン類を用いて単体硫黄との[2+2+1]環化付加反応を調査したところ、いくつかの触媒条件において、想定通りのチオフェン形成反応が進行することが明らかになった。特に、鉄錯体触媒を用いた特定の条件下では、最高収率約70%で対応するチオフェンが生成することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果によって、新しいチオフェン合成法の選択肢を有機合成化学分野に提供できた。反応効率や触媒安定性、基質適用範囲など、解決すべき課題は残されているものの、今後更なる最適化や触媒条件の調査によって、実利用可能なチオフェン合成法へと発展させていきたい。研究期間内には達成できなかったが、本手法は有機電子材料に含まれるポリチオフェン骨格の構築にも原理的には応用可能であるため、将来的には社会に還元できる合成手法になりうる基盤研究としての意義がある。
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