研究課題/領域番号 |
20K15298
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
栗原 拓也 金沢大学, 物質化学系, 助教 (50858272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 金属-有機構造体 / ガラス / 固体NMR / 分子運動 / 6フッ化アニオン |
研究開始時の研究の概要 |
金属イオンおよび有機配位子が規則的に組み合って構成される金属-有機構造体(MOF)の一部がガラス化することが近年見出された。MOFガラスは主に加熱により融解したMOF結晶を急冷することで作成され、その成形性やガス選択透過性などの特性・機能が注目されている。しかし、なぜ融けるのか、どのような構造のMOFが融けるのかという点は明らかでない。本研究では、分子の静的動的構造を解析できる固体核磁気共鳴分光(NMR)法を軸に、MOFの融解メカニズムを解明する。有機配位子の温度に依存した運動性や骨格の柔軟性に着目して固体NMRによる構造解析を行い、融解の鍵となる構造の要素を分子レベルで特定することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ガス分離・貯蔵やイオン伝導等の機能が注目される金属-有機構造体(MOF)のガラス状態がどのように形成されるのか、固体核磁気共鳴分光法(NMR)を用いて研究を行った。新たに合成した2種類のMOFのガラス化のしやすさの差異について、MOFを構成する配位子の分子運動に着目してその原因を解析した。その結果、MOFの配位構造の柔軟性に起因する配位子の運動性が高いほど、ガラス状態を形成しやすいことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年発見されたMOFのガラス状態は、これまで結晶として扱われてきたMOFにガラスとしての新たな特性(成形性、透明性など)を付与し、MOFの材料利用の幅を広げると期待されている。一方で、どのような構造や構成要素を持つMOFがガラス化するかについては不明な点が多く、MOFガラスの作製や新規合成の妨げとなっている。本研究で得られた結果は、新規MOFガラスの設計や探索において有用な知見を与えると期待される。
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