研究課題/領域番号 |
20K15306
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
梅山 大樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, 研究員 (00821480)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 配位高分子 / 欠陥制御 / 触媒活性 / スピンクロスオーバー / 欠陥生成 / 欠陥導入 / 不一致分解 / 不一致な熱分解 |
研究開始時の研究の概要 |
有機物と無機物の中間的な物質である有機-無機複合物質を加熱すると、ある温度で特定の構成要素のみが構造から脱離する「熱分解」が見られる。これは固体が液体になるような変化と比べると「行儀が悪い」振る舞いであり、解析の難しさから未解明の部分が多い現象である。 そこで、本研究ではこのような熱分解のメカニズムを解析し、熱分解を積極的にコントロールするための諸条件を明らかにする。更に、熱分解を設計可能なプロセスとすることで、通常のルートでは得られない新材料を合成する手法として確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
ホフマン型配位高分子M(pz)[M'(CN)4](pz = ピラジン)における合成後の欠陥形成を系統的に調べた。これらの化合物は、常温でメタノール(MeOH)に浸すと、ピラジン部位で選択的な配位子交換を容易に受ける。配位子交換により化学式はM(pz)1-x(MeOH)2x[M'(CN)4] (0 < x < 0.3)に変化し、Mイオンの周囲に欠陥のある配位環境を与える。欠陥濃度は金属イオンと溶媒種の組み合わせに大きく依存し、最大で約30%に達する。高濃度で欠陥を形成する構造は触媒として機能し、ルイス酸性サイトを提供することによってアセタール化反応の触媒となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
三次元ホフマン型配位高分子の合成後の配位子交換を系統的に調べた結果、欠陥形成の程度は構造中の金属イオンの組み合わせによって調節されることが明らかになった。この欠陥濃度は、八面体金属イオンのスピン状態と配位子交換のための溶媒種に大きく依存する。欠陥構造は、反応促進に必要なルイス酸性サイトを提供することにより、触媒として機能する。触媒反応機構についての検討から、触媒の活性は、溶媒種によって決まる欠陥形成の程度によって制御されることが明らかになった。本研究は、配位高分子における欠陥構造の設計と操作、および欠陥工学と磁性や触媒作用などの特性との結合に有用な知見を与えるものである。
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