研究課題/領域番号 |
20K15314
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
松本 歩 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (30781322)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レーザー誘起ブレークダウン分光法 / レーザーアブレーション / 金属援用エッチング / 多孔質シリコン / 液体分析 / 蒸発乾固 / 微量分析 / プラズマ診断 / ボルツマンプロット / レーザープラズマ / 金ナノ粒子 / 金属ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
試料の元素を「その場で」「瞬時に」同定できるレーザー誘起ブレークダウン分光法は、福島原発の廃炉現場における遠隔分析技術として期待されている。しかし、光ファイバーで伝送できるレーザー光のエネルギーに制限があるため、プラズマ生成閾値の高い液体試料を直接分析することは難しい。また、放射性物質を含む汚染水を扱うため、使用する液量を最小限に抑える必要がある。本研究では、レーザー光のエネルギーを効率良くプラズマの生成に変換できる多孔質シリコンを利用し、限られた条件下でも液体の成分を高感度に検出できる新規分析技術の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
極限環境における現場分析技術として、レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)が期待されている。本研究では、レーザーのエネルギーを効率良くプラズマの生成に変換できる多孔質シリコン(Si)基板をLIBSに応用し、蒸発乾固法による液体の微量分析を試みた。多孔質Siを用いると、平滑Siの場合と比べて蒸発乾固物の信号強度が著しく増大するとともに、レーザー照射位置による信号のばらつきが抑制された。微量溶液中のストロンチウムの定量分析について検討した結果、決定係数0.998、検出限界0.67 ppbの検量線が得られた。また、発光スペクトルの解析により、多孔質Si上で生成するプラズマの特性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で見出した手法は、液量やレーザーの照射エネルギーが制限される条件でも簡便な操作で液体中の成分を検出できる。このような特長から、福島原発の廃炉現場における汚染水の遠隔分析技術として期待できる。核燃料デブリを炉内から取り出す際に滞留水の成分を把握できれば、より安全に廃炉作業をより安全に実施できると考えられる。そのほか、めっき液の管理や環境分析など、幅広い分野で応用が期待される。近年、ナノ材料と光の相互作用に関する研究が盛んに行われている。しかし、本研究のようにプラズマ生成を伴う現象を取り扱った例は少ない。本成果は、ナノ材料とレーザーの相互作用に関する新たな知見を与えるものである。
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