研究課題/領域番号 |
20K15316
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (2022) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
山本 翔太 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 研究員 (10785075)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 上皮成長因子 / アポトーシス / がん細胞 / メカノバイオロジー / シグナル伝達 / ナノ粒子複合体 / バイオ分析 / 光制御 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞増殖を促す上皮成長因子のナノ粒子への固定化は、生体分子本来の機能を変調してシグナル伝達を制御する機能を与え、正反対の細胞死を引き起こす。そのため上皮成長因子担持ナノ粒子は新たな抗がん剤となる可能性を秘めている。そこで本研究では、細胞内動態のイメージングと応答場の制御を両立できる光機能化上皮成長因子担持ナノ粒子を開発し、特異的細胞応答の制御機構を探究する。この研究を通して、ナノ粒子複合体を用いたシグナル伝達の選択的活性化の制御法を提案し、がん細胞選択的で高活性かつ低副作用のナノ粒子抗がん剤の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
通常、細胞増殖・分化を促進する上皮成長因子(EGF)は、金ナノ粒子に固定化されると細胞死(アポトーシス)を誘導する。そのため、このようなナノ粒子は新しい抗がん剤としての応用が期待されている。そこで本研究では、EGFナノ粒子の構造を最適化することで、がん細胞選択的に効能を示すナノ粒子複合体の開発を行なった。最適化したナノ粒子は、EGF受容体の発現量の多いがん細胞のアポトーシスを誘導し、正常細胞に対しては活性を示さなかった。さらに、ナノ粒子の詳細なアポトーシス誘導機構を調べることにより、EGFナノ粒子が新たな抗がん剤として利用できる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上皮成長因子(EGF)担持ナノ粒子はがん細胞のアポトーシスを誘導するため、新たな抗がん剤となる可能性を秘めているが、その詳しいメカニズムは明らかとなっていなかった。本研究では、EGFナノ粒子が獲得するアポトーシス誘導活性の作用機構の解析を行うことで、特異な応答の鍵を握る細胞内タンパク質やシグナル伝達経路を明らかにした。これは、EGFの新たな作用機構の発見であり学術的意義がある。さらに、構造を最適化することでがん細胞選択的に作用するナノ粒子の開発にも成功しており、将来的な医療応用へ役立つ可能性もあることから社会的意義もある。
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