研究課題
若手研究
本研究の目的は、超重元素ラザホージウム(Rf) を含む第4族元素ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、Rfの臭化物錯形成を調べることである。まず、HBr及びHBrとLiBr混合溶液(HBr/LiBr) 中のZrとHfの化学種を同定し、Br-濃度変化に伴うZrとHfの臭化物錯形成を調べるため、分光分析を行う。次に、Zr、Hf、RfのHBr及びHBr/LiBr溶液系のイオン交換挙動を取得し、ZrとHfのイオン交換挙動をこれらの錯形成を基に解釈する。そして、RfとZrとHfのイオン交換挙動を比較し、単一原子でしか存在できないRfの臭化物錯形成を考察する。
Rfの同族元素であるZr及びHfの臭化物錯形成を調べるため、臭化水素酸系のイオン交換及び、UV-visスペクトル測定を行った。ZrとHfの陽イオン交換挙動がUV-visスペクトルの変化との関連性が見られた。一方、ZrとHfのイオン交換反応が遅く、短寿命のRfに対して、化学平衡到達下の結果を得ることが困難であることがわかった。このため、Rfの臭化物錯体の研究は、実験条件を再度検討する必要がある。関連研究として、Rfの硫酸錯体の研究も行った。ZrとHfの硫酸中の溶存状態を考察するため、溶媒抽出及びESI-MS測定を行った。本手法は、臭化水素酸系等他の化学反応系でも利用できると考えている。
原子番号104番以降の超重元素に関しては、実験の難しさからこれまで実験がほとんど行われていない。そのような中で、最初の超重元素である104番元素のRfについては、いくつかの定量的な実験データも報告されており、さらなる実験データを取得することで、系統的な考察も行うことができ、超重元素領域における化学的性質の相対論効果の影響を調べることが可能となる。今回、関連研究として研究を行った硫酸錯体の研究では、Rfと同族元素の間でイオン交換挙動に差が見られており、この実験データを考察し、Rfの化学における相対論効果の影響を調べることにつなげていくことができると考える。
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