研究課題/領域番号 |
20K15325
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
本田 正義 東京理科大学, 工学部工業化学科, 助教 (70734078)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 二酸化炭素 / 環状エーテル / ポリカーボネート / 固体触媒 / ジオール / 5員環エーテル / 共重合 / バイオマス |
研究開始時の研究の概要 |
環状エーテルと二酸化炭素の共重合によるポリカーボネート合成は、これまで3員環と4員環のエーテルに限定されてきた。これに対し本研究は、よりエネルギー的に安定な5員環エーテルとCO2の共重合に挑戦する。今回用いる新規モノマーは、従来の有機合成では多段階反応で行われるが、申請者は既に収率15%で得ることに成功している。本研究では、このモノマーとCO2との共重合を行い、環状エーテルとCO2の共重合が進行するために必要な化学的要因が何であるか?を明らかにする。加えて、得られた知見を、バイオマス由来の5員環エーテルを持つ複雑な化合物に適用し、優れた特性を持つ新規ポリカーボネートの創出につなげる。
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研究成果の概要 |
5員環の環状エーテルである1,4-エポキシシクロヘキサンを、1,4-シクロヘキサンジオールから一段階で合成できる新規固体触媒を開発した。適切な反応条件で行うことで、低沸点の副生成物の生成を抑制することができ、蒸留によって目的物を単離することに成功した。また、DFT計算の結果、この環状エーテルは、5員環の中では比較的大きな環歪みエネルギーを持つものの、CO2との共重合が進行するほどのものではないことが明らかになった。この結果をもとに、様々な環状エーテルとCO2の共重合の可能性を模索したが、より多くの外部からのエネルギーを必要とするため、より耐熱性の高い触媒の開発が求められる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジオールの脱水によって選択的に環状エーテルを合成することは意外と難しいが、本研究で開発した固体触媒は、一段階で合成できるだけでなく、グラムスケールで比較的大量に合成が可能である。この反応系を利用して様々な基質に適用することができれば、高価で手に入りづらかったモノマーが容易に入手できるようになる。また、エポキシドとCO2の共重合を進行させるためには、環状エーテルの環歪みエネルギーが重要な役割を果たしており、十分に大きな環歪みエネルギーを持つ基質を設計する必要があることを明らかにした。本研究手法により、CO2を取り込む新たなポリマーを開発し、低炭素社会の実現に貢献していく。
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