研究課題/領域番号 |
20K15333
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤川 鷹王 京都大学, 高等研究院, 特定研究員 (70839688)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 多孔性材料 / 不斉空間 / 分子認識 / 多孔性配位高分子 / 不斉構造 / キラル配位子 / ガス吸着 / ヘリセン / 螺旋反転 / キラリティー |
研究開始時の研究の概要 |
ある物質・物体を鏡に映し出したとき、もとの形とは重ね合わせることができない性質をキラリティー(掌性)という。例えばDNAやタンパク質などの生命体を構成する物質の大半はキラルな物質であり、尚且つ片方の鏡像異性体のみを利用していることが分かっている。生命現象の他にも、キラリティーは円偏光発光などの物理的性質にも影響を与えることが知られており、技術的な課題は多いものの3次元ディスプレイなどへの応用も検討されている。単分子レベルでのキラリティー制御に関しては不斉合成技術などによって達成されているが、本研究では螺旋状分子を利用した固体材料レベルでの新しいキラリティー制御に挑む。
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研究成果の概要 |
動的な不斉構造を埋め込んだ多孔性材料を開発し、分子吸着過程の解析を通じて新たなメカニズムに基づく分子認識システムの構築に取り組んだ。酵素タンパク質のような生体分子の活性部位は、全方位的かつ揺らぎのある不斉空間であるが故に高い分子認識能力と機能性を発現している。キラル有機配位子の合成を出発点としたボトムアップ設計により、生体分子を想起させるような動的でアシンメトリック空間を金属有機構造体(MOF)内部に再現し、ガス分子吸着材料としてはこれまでにない非対称吸脱着過程の発見に至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質の変換・分離・精製プロセスは現代の物質社会を根幹から支えるインフラ技術である。特にエネルギー資源、ポリマー材料、医薬品源薬などといった分子性資源の加工には膨大なエネルギーが必要とされている。高い精度でこれらの分子性資源を吸着できる分子認識場を開発できれば、高効率で低コストな物質変換プロセスの構築が可能となる。本研究は、新たな分子メカニズムに基づく分子認識場の構築手法を提案するものであり、次世代の物質分離技術や物質変換技術の開発に資するものである。
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