研究課題/領域番号 |
20K15336
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
甲田 優太 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90759325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | イオン重合 / 開環重合 / 糖質重合 / 糖鎖化学 / 温度応答性 / 糖鎖材料 / アミノ多糖 / 多糖材料 / 生体材料 / アミノ糖 / 糖鎖生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
糖は、生体の恒常性維持のために不可欠な分子である。しかし、糖鎖の人工合成が未だに困難であるために、糖鎖の生体内機能が十分に明らかになっておらず、分子設計の重要性も明らかにできていない。そこで、申請者が独自に開発した糖質重合により非天然グリコシド結合で連結されたオリゴグリコンを合成する。その際、天然物にはない人工機能を有するオリゴアミノ配糖体の創出を目指す。具体的には、非天然グリコシド結合により連結されたオリゴアミノグリコンを合成し、温度により水への溶解性が変化する非天然糖鎖を合成する。その後、類似構造の合成高分子と比較し、温度により可逆的に溶解性が変化する糖鎖の分子設計指針を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、糖鎖材料の分子ライブラリーの拡大と新たな機能性材料を開発するために、新たな単糖モノマーの合成およびその重合、物理化学的性質の評価(結晶構造、熱安定性、温度応答性)、および細胞毒性評価を行った。物理化学的評価により本オリゴアミノ糖は、まだ十分な分子量に対していないにも関わらず、配向性を有していることが明らかになった。さらに、細胞毒性評価を行ったところ、細胞毒性が低く、新しい糖鎖材料として展開可能であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖鎖は、DNAとタンパク質に次ぐ三大天然高分子の一つである。糖鎖は、分子認識、細胞骨格の維持、タンパク質の安定化などの重要な役割を担っており、生命維持に欠かせない分子である。よって、糖鎖の人工合成が容易になり、その分子ライブラリーが拡大することで人工機能が付与された糖鎖材料を開発できるようになると、新たな糖鎖材料が医療応用の発展に繋がることが期待できる。そこで本研究では、新たな非天然オリゴアミノ糖を合成に挑むのみならず、すでに合成に成功していた非天然オリゴアミノ糖の物理化学的性質の解明や、細胞毒性の評価を行った。これらの成果は、高分子化学の発展のみならず、新たな生体材料への開発が期待できる。
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