研究課題/領域番号 |
20K15339
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
赤松 範久 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (50806734)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | コレステリック液晶 / フィルムデバイス / 湾曲 / 中立面 / 湾曲ひずみ / ソフトマテリアル / 内部ひずみ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,湾曲したソフトマテリアル内部のひずみを定量解析し,中立面の位置を設計したフィルムデバイスの創製を目的とする。汎用的なソフトマテリアルであるポリジメチルシロキサン(PDMS)を測定対象とし,膜厚方向のひずみセンサーには,力,熱,光などの外部刺激により色が変化するコレステリック液晶(CLC)を用いる。CLCは,液晶分子が形成するらせん構造のピッチに応じて特定の波長の光を反射するため,湾曲に伴う膜厚方向のひずみを高精度に検出できる。これにより,湾曲に伴う中立面の移動を追跡し,内部ひずみの分布に応じた高性能フィルムデバイスを創製する。
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研究成果の概要 |
湾曲に伴う膜厚方向のひずみを検出できるコレステリック液晶(CLC)センサーを開発し,汎用的なソフトマテリアルであるポリジメチルシロキサン(PDMS)フィルム内部にCLCひずみセンサーを導入した。得られたフィルムの湾曲に伴う反射光波長変化から,フィルム内部の局所的なひずみを検出した。この結果に基づき,湾曲に伴う中立面移動を定量解析することに成功した。湾曲によりひずみが生じないとされる中立面(膜厚中間)に注目すると,湾曲に伴い面外方向に収縮していることが明らかとなった。これらの内部ひずみ分布を考慮したフィルムデバイスを作製し,湾曲に対してより高耐久なフィルムデバイスを作製した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のフレキシブルデバイス開発のアプローチは,湾曲に伴うひずみに追従する高伸縮な物質材料の開発と薄型化によるひずみ軽減の2つに大きく分類される。本研究では,湾曲によって生じる内部ひずみの定量解析に着目し,ひずみの分布を明らかにした。さらに,湾曲に伴う中立面の移動を追跡することで,ひずみ分布に応じた性能劣化しないフィルムデバイスの創製に成功した。このように,内部ひずみの実測に基づく高耐久フィルムデバイス開発は,学術的にも意義深い。内部のひずみ分布から中立面の移動挙動を詳細に理解し,高性能フィルムデバイスを設計できれば,エレクトロニクスのみならずソフトロボティクス,生体材料への波及効果も大きい。
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