研究課題/領域番号 |
20K15340
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
村井 一喜 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (30756268)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ペプチドハイドロゲル / ゲル融合 / 二次構造転移 / ミネラリゼーション / 界面融合 / リン酸カルシウム / 有機無機複合構造 / ゲル界面 / ペプチドゲル / 界面反応 / ペプチド / ハイドロゲル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アミノ酸配列の制御により酸性・中性および塩基性を示すペプチドゲルをそれぞれ作製し、異なる性質を示すゲルの融合により界面近傍で誘起されるペプチドの連続的な二次構造転移挙動と同構造転移により形成される三次元的な秩序構造の形成機構の解明を目指す。得られた二次構造転移および構造形成の基礎知見を基盤として、生体システム様の外部環境変化をトリガーとする連続的な構造転移に基づき特異機能を発現する新規機能性材料の創製を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では種々のペプチドを用いて構築される性質 (電荷およびpH) の異なるペプチドゲルを生体組織のモデル系とし、ペプチドゲル同士の融合により誘起される界面近傍のペプチド分子による二次構造転移挙動および自発的な構造形成機構の動力学的解析を試みた。本研究で見出された可逆的な二次構造転移 (振動現象) を伴うペプチドゲルの融合には、(1) ゲル界面近傍のpH変化により誘起されるアミノ酸側鎖官能基のプロトン化、(2) 分子間での静電相互作用に起因するペプチドの構造安定化の2つの因子が重要であることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物の生命活動を維持する多くの機能は細胞内外を隔てる細胞膜、つまり異なる性質を有する組織界面に存在する生体高分子集合体で発現する。この生体システムにおける自発的かつ可逆的な構造転移に基づく機能発現機構の解明は、生物学や生化学分野における学術的に重要な課題の1つであるとともに、材料工学的観点から見ても生体機能を超越する新たな機能性材料創製のために重要な課題である。本研究の遂行により得られる学術的知見は、自発的なかつ可逆的な構造転移を利用した生体システムを超越する機能創発に加え、機能性材料創製のためにも重要な学術的知見となると期待される。
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