研究課題/領域番号 |
20K15344
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中畑 雅樹 大阪大学, 理学研究科, 助教 (40755641)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | バイオ医薬品 / ムチン / ボロン酸 / ハイブリッド材料 / ヒドロゲル / 細胞 / 腸内細菌 / 糖タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、バイオ医薬品のDDSに向けた材料として、分子認識部位を有する糖タンパク質(ムチン)をキー化合物とした高分子ハイブリッド材料を開発する。可逆的な結合を介して糖タンパク質を材料骨格に組み込むことで、材料内へのバイオ医薬品の内包と標的部位への送達、温和な刺激に応答した徐放を可能とする。研究期間は二年間とし、一年目には基盤となる材料の合成と物性のチューニングを行う。二年目にはバイオ医薬品の内包と徐放を in vitro で行えることを実証し、翌年以降の in vivo での応用および概念の一般化に向けた基盤を創出する。
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研究成果の概要 |
本研究では、バイオ医薬品に対する新しいドラッグキャリア材料の開発を見据えて、分子認識部位を有し高密度に糖鎖修飾された糖タンパク質ムチンを可逆的結合で架橋するという設計による高分子ハイブリッド材料の開発とその応用を提案し、研究に取り組んだ。材料の合成と力学特性の自在制御に成功し、生理的条件下での分解性をチューニング可能であった。in vitroでの評価も行い、材料の非毒性と種々の細胞等との相互作用について知見を得、論文として発表した。これにより、本研究の材料設計の有効性を実証することができた。また、計画の中で当初予想していた計画の範疇に止まらず、さらなる応用に向けた基盤を確立することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バイオ医薬品は従来の低分子医薬品と比較して治療効果が高いが、その多くは化学的安定性が低いために、低分子医薬品と同様の製剤・投与方法では容易に失活してしまう。薬剤治療における患者のQOL向上のためには、必要な量を・必要な場所で・必要なタイミングでリリースする材料が有効であるが、バイオ医薬品の品質を担保し、温和な外部刺激のみを用いるという制約のもとでは、根本的にシステムを設計し直す必要がある。本研究の成果は、バイオ医薬品に対する新しい DDS キャリア候補となる材料を創出しうるものであり、バイオ医薬品のキャリアに求められる要素を同時に満たし、現状の課題を一挙に解決するための礎となるものである。
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