研究課題/領域番号 |
20K15346
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
大澤 重仁 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 助教 (30780663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 白金錯体 / 亜鉛錯体 / ジピコリルアミン / DNA / ナノ粒子 / アクリレート / 可逆的付加開裂連鎖移動重合 / 亜鉛 / 白金 / ポリプレックス / 金属錯体 / 制御ラジカル重合 / ブロック共重合体 / 金属コロイド / 抗酸化剤 |
研究開始時の研究の概要 |
多種金属を含むコロイド粒子の合成は多岐の分野において注目度が高いが、従来の分散剤と還元剤を用いた液相合成法では、粒径、またコロイド間および内での金属組成を均一にすることが熱力学的に難しい。本研究では、親水性鎖と二種の金属錯体を有する高分子鎖からなる両親媒性高分子を合成し、これを水中でミセル化、ミセルコアをマイクロ反応場とする還元反応で粒径と組成が制御された金属コロイドを調製することを提案する。この手法の価値を実証するため、具体的に、白金と亜鉛の比率を変えたPt/Znコロイドを合成し、白金重量あたり抗酸化作用が高い組成を決定し、ライフサイエンス分野における抗酸化剤としての応用を検討する。
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研究成果の概要 |
亜鉛錯体化、また白金錯体化を含むアクリレートモノマーを可逆的付加開裂連鎖移動重合することで、亜鉛錯体と白金錯体を含むランダム共重合体を得た。得られた共重合体をpDNAと混合したところ、平均粒径31 nm、74 nmのナノ粒子が得られた。得られた粒子を、走査型透過 電子顕微鏡観察において元素マッピングをしたところ、会合体中にpDNA由来のリンと、共重合体由来の亜鉛、白金の元素が含まれていることが分かり、DNAをテンプレートとして亜鉛、 白金を含むナノ粒子が形成されたことが実証された。得られたナノ粒子はヒト線維芽細胞に対して毒性を示さず、また過酸化水素の分解を促進することを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白金や白金錯体をナノ粒子化することによるクラスター効果で触媒活性が向上することはよく報告されているが、本技術では、ナノ粒子中で亜鉛がスペーサーとして白金の間に存在することで、さらに白金の有効な触媒面が大きくし、白金グラムあたりの触媒活性を高めることが期待される。白金、白金錯体は様々な場面で貴重な触媒成分となるが、白金自体は貴金属である。白金の使用量削減につながると期待される本技術は、種々の場面で持続可能な開発目標の達成にも貢献すると考えられる。
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