研究課題/領域番号 |
20K15349
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
玉手 亮多 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, 独立研究者 (70812759)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | イオン液体 / イオンゲル / 超分子結合 / ナノ相分離構造 / 自己修復性 / ブロック共重合体 / 水素結合 / 自己修復 / 超高分子量 / ラジカル重合 / ナノ相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
イオン液体中で発現する超分子相互作用とナノ相分離構造を利用することで、耐湿性・耐クリープ性と自己修復性を両立する、信頼性の高いイオン伝導ソフトマテリアルを創製する。 ①超分子相互作用を示す官能基を持つ高分子をイオン液体と複合化し、カチオン・アニオン・高分子間の競合的な相互作用を制御することで疎水的な可逆架橋点を形成し、耐湿性と自己修復性を両立する自己修復イオンゲルを見出す。 ②グラフト高分子・ブロック共重合体などの高分子構造を導入し、ナノ相分離構造を持つ自己修復イオンゲルを創製する。ナノ相分離構造と力学物性との構造-物性相関を明確化し、耐クリープ性と自己修復性の発現を両立させる。
|
研究成果の概要 |
これまでに合成した、イオン液体中で発現する高分子間の水素結合を利用した物理架橋イオンゲルは、力学強度が低いという問題があった。本研究では、高分子構造内における水素結合のアクセプター・ドナーとなる官能基の化学構造を最適化することで、これまでに報告された高分子ゲルの中でもトップクラスの力学強度を持つイオンゲルを創製した。 また当初予期しなかった発見として、イオン液体を溶媒とするビニルモノマーのin situラジカル重合によって生成される超高分子量ポリマーの絡み合いを利用した、耐湿性が高く室温での迅速な自己修復性を有する全く新しいイオンゲルを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素結合を利用した高強度イオンゲルは、様々な種類のイオン液体系に適用可能であるため、高強度ゲル電解質としてアクチュエータや二次電池といった電気化学デバイスへの幅広い応用が期待できる。また、超高分子量ポリマーの絡み合いを利用した超高分子量イオンゲルは、特殊な官能基を用いておらず汎用性が高い材料設計概念であることから、今後自己修復機能の発現メカニズムなどの力学機構を解明することで、イオン液体にとどまらずハイドロゲル・オルガノゲル・エラストマーなど幅広い高分子系において超高分子量ポリマーの絡み合いを利用した機能性高分子材料を創製できると考えられる。
|