研究課題/領域番号 |
20K15360
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2022) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
相沢 美帆 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (30849948)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 光応答性分子 / 分子層 / 開裂反応 / 易剥離 / 刺激応答 / 刺激応答性分子 / 界面 / 接着 / 剥離 / 解体 / 化学結合変化 / 界面剥離 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,材料の高機能化を背景として近年拡大しているマルチマテリアルの導入に伴い接着剤に求められている「易剥離機能」を高効率に発現する分子層の創製を見据えて,界面での接着-剥離様式の解明を目指す。素材同士が接触している界面における接着メカニズムは未だ明らかにされておらず,現行の易剥離技術は接着剤全体の状態変化を利用している。界面での接着原理が解明されれば,より効率的な易剥離技術の開発に繋がる。そこで本研究では,「外部刺激に応じて結合状態を変化させる開裂分子層」を作製し,接着界面における共有結合の生成と解離が「素材同士の接着と剥離」に与える影響について明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では,界面に着目した易剥離機能の付与を見据えて,刺激応答性の化学結合変化を示す化合物からなる開裂分子層の創製に取り組んだ。光や熱の刺激により光二量化/光・熱開裂反応を示すアントラセン誘導体を含む分子を分子層として基板上に形成し,刺激に応じて分子層の状態で結合生成と解離が変化することを見出した。この開裂分子層を接着界面に配置し,結合形成状態および結合開裂状態とで剥離強度を比較したところ,有意な差があることを確認した。この成果は,刺激に応じた易剥離機能を示す開裂分子層の創製に成功したことを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
界面における接着原理については,接着剤と基材との物理的な絡まり合いや,共有結合や水素結合などの化学的な結合エネルギーの作用などが提唱されている。しかしながら,接着に与える影響を結合様式ごとに区別して判断することは困難である。本研究では,結合の生成と解離を光や熱により直接的に制御可能な官能基を組み込んだ開裂分子層を接着界面に形成し,界面の化学結合が接着に及ぼす影響について知見を得ることに成功した。さらに,効率的な刺激応答性易剥離技術としての応用可能性を見出した本研究は,近年のものづくりにおいて需要が高まっている易剥離技術の新たな方法として提案できる。
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