研究課題/領域番号 |
20K15378
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
早川 幸男 岐阜大学, 工学部, 助教 (40799946)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | アンモニア / 水素製造 / 大気圧プラズマ / 脱炭素 / カーボンニュートラル / 水素分離膜 / 水素 / パックドベッド放電 |
研究開始時の研究の概要 |
水素エネルギー社会の普及する上で有望な水素キャリアであるNH3から高純度水素を効率的に得る方法が求められているが,現行の触媒熱分解法のみで燃料電池用の高純度水素を得るのは難しい。申請者はプラズマ技術と水素分離膜を組み合わせてNH3から高純度水素を生成可能なをプラズマメンブレンリアクターを開発してきた。開発目標は,自立型燃料電池発電機を構成できる水素製造量500 L/hである。最近,ある種のゼオライトを反応場に充填すると水素生成能が向上し,水素製造量は200 L/hに達した。本研究ではゼオライトがプラズマ反応場にて果たす役割を完全に解明し,目標値を達成するための新たな知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
水素キャリアであるNH3を触媒熱分解した混合ガスから高純度な水素を精製可能なデバイスとして,プラズマメンブレンリアクター(PMR)を開発してきた。PMRはプラズマ放電部にゼオライトを充填することで水素分離性能を向上させることが可能だが、そのメカニズムは解明されていない。本研究ではPMRに充填されたゼオライトの役割を解明することを目的とした。結果として、PMRの放電時にゼオライト表面に沿面放電が発生し、プラズマ状態を安定化する役割を担うことが明らかになった。また、ゼオライト表面でプロトンリレー現象が起こり,水素分離膜近傍のプロトン濃度が高くなることで水素分離が促進されている可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小規模な施設でアンモニアを燃料として利用する場合、アンモニアを水素に転換し、燃料電池へ供給することで発電を行うのが一般的である。しかし、既存技術ではアンモニアから得られる水素には低濃度のアンモニアが混入しており、燃料電池破損の原因となる。 プラズマメンブレンリアクターはアンモニア分解ガスから効率的かつ純度の高い水素を得られる技術であり、ゼオライト充填時のメカニズムが明らかになることでアンモニアを起点とした発電システムの構築をより現実的なレベルに引き上げることが可能になる。また、大気圧プラズマと水素分離膜を組み合わせた反応場は他に類さない先進的な学術的特色を有する。
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