研究課題/領域番号 |
20K15379
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
宮崎 怜雄奈 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10756191)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 固体電解質 / ナトリウム化合物 / 全固体リチウム電池 / リチウムイオン伝導体 / Na化合物 / 全固体Li電池 / Li+伝導体 / Li+/Na+混合材料 / ゲストLi+伝導体 / Liフリー化合物 / NaI |
研究開始時の研究の概要 |
全固体Li電池の早期実用化に向け、Liフリー化合物にドープされたLi+(ゲストLi+)に着目し、高速ゲストLi+伝導体を開発する。ゲストLi+伝導体は、Li+をドープできる全てのLiフリー化合物が開発対象となる。これまでに、Li+を10 mol%ドープしたNaIで最大のLi+伝導度を達成している。本研究では引き続きNaIに着目し、合成時の副反応を解明した上で第二相を低減し、更に低温ボールミル(@-80℃)により格子欠陥を導入し、Li+伝導度を向上させる。また、NaNH2やYbI3等のLiフリー化合物にも着目する。高Li+伝導度が発現次第、ゲストLi+伝導体を用いた全固体電池を構築していく。
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研究成果の概要 |
NaI-NaBH4-LiI系固溶体におけるLi+伝導度を向上させるため、①不純物を含まない単相試料の合成、②Ca2+ドープによるカチオン空孔導入を行った。この試料は合成時に副反応でLiBH4が生成し、これがLi+伝導を阻害する。合成温度や圧力を変化させ、最適な合成条件を調べた結果、低温高圧下ではLiBH4が減少することが分かった。Ca2+ドープは、Li+伝導度向上への影響が少なく、Ca2+ドープ試料をLi金属で挟み数日間放置すると、電池が短絡することが分かった。従ってNaI-NaBH4-LiI系固体電解質の伝導度向上は、ボールミリングのような化学修飾を行わない手法が効果的であることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現状はLi+伝導体はLi化合物、Na+伝導体はNa化合物から合成されている。これは2種類のアルカリイオンが同じ相に共存すると、イオン伝導度が低下するためである(混合アルカリ効果)。それ故Na化合物はLi+伝導のベース材料とは見なされていなかった。本研究では申請者が敢えてNa化合物を出発材料として開発したNaI-NaBH4-LiI系固体固体電解質について、全固体Li電池の動作を実証しただけでなく、伝導度向上に有効な指針が従来のLi化合物ベースのイオン伝導体とは異なることを明らかにした、重要な成果である。
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