研究課題/領域番号 |
20K15386
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 岡山大学 (2022) 豊田工業大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
加藤 康作 岡山大学, 自然科学研究科, 技術職員 (40751087)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 光触媒 / キャリアダイナミクス / 過渡吸収 / 過渡吸収分光 / 磁場 / 磁場効果 |
研究開始時の研究の概要 |
光触媒の活性を向上させるためには、光励起された電子と正孔の再結合を抑え寿命を延ばすことが重要である。近年、光触媒に磁場を印加すると光触媒活性が向上するという報告がなされ、磁場が電子と正孔のスピン状態を変化させ再結合を抑制するという機構が提案されている。本研究では磁場による光触媒活性向上のメカニズムの詳細を明らかにするため、過渡吸収分光法を用いて光触媒粉末中のキャリアダイナミクスを磁場下で実測する。また、助触媒の担持や不純物イオンのドープを行うことで、磁場による活性向上効果がさらに大きくなる条件を検討する。
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研究成果の概要 |
過渡吸収分光を用いて光触媒の光励起キャリアダイナミクスの研究を行った.光触媒粉末表面に多く存在する欠陥が,光励起キャリアの再結合を促進する効果と抑制する効果を合わせもち,どちらが優勢になるかは欠陥の分布によることを示唆する結果を得た.一方,近年報告されている光触媒活性に対する磁場効果の原因を調べるため,試料を電磁石のギャップ間に設置したガスセル中に保持して過渡吸収を測定するための装置を開発した.光励起キャリア寿命の磁場印加の有無による変化を調べたが,今回の測定では有意な違いは見られず,分子が電荷を受け取った後で起こる反応過程の方が光触媒活性の磁場効果の主原因となっている可能性が考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光触媒を用いると,水と太陽光を用いてクリーンなエネルギー源である水素を生成したり,大気や水質の汚染物質を分解したりすることが可能で,様々な環境問題の解決策として近年大きく注目されている.本研究で過渡吸収分光測定を通して得られた新たな知見は,将来のより高活性な光触媒の開発において基礎となる,光触媒中における光励起キャリアのダイナミクスについての理解を深める上で有用であると考えられる.
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