研究課題/領域番号 |
20K15392
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究代表者 |
山口 真平 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主任研究員 (40761002)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 固体酸化物形燃料電池 / 酸化・還元耐性 / 再生可能エネルギー / バイオマス / 水素 / エネルギー / 水素エネルギー / 脱炭素 / 再生機能 / 電気化学 / 酸化還元 / 触媒 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
再生可能エネルギーを効率よく電力に変換できる固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、燃料極の酸化・還元耐性が低いため、急な環境変化によって壊れやすい課題がある。本研究では、酸化によりNiが結晶へ固溶し、還元によりNiが結晶から析出・分散化することのできる再生機能を有する酸化物の燃料極への複合化を試みる。これによって、燃料極の酸化・還元耐性を高めることで、起動・停止が可能なSOFCの開発を目的とする。そのために、①計算熱力学を用いた再生機能に優れる酸化物の合成条件、②燃料極の酸化・還元耐性向上のメカニズム、③酸化・還元耐性が向上するセルの作製条件を明らかにする。
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研究成果の概要 |
再生可能エネルギーの普及に向け、水素、一酸化炭素、ならびに炭化水素を効率よく電力へ変換する固体酸化物形燃料電池が注目されているが、燃料極の酸化・還元耐性が低いことが普及の課題となっている。本研究では、酸化・還元耐性に優れるスピネル型の結晶構造を有する酸化物を既存の燃料極へ複合化することで、燃料極の酸化・還元耐性の向上を検討した。燃料極に複合化したNiOを含むスピネル酸化物は、還元によって結晶から数nm~数十nmのNi粒子が分散化し、酸化によって元の結晶へ再生することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、酸化・還元によって再生する複合酸化物を固体酸化物形燃料電池の燃料極へ複合化することで、燃料極の酸化・還元耐性の向上を目指したもので、これまでにないコンセプトに基づくものであり、新規性は高い。性能面では、燃料極の導電性が低下する課題があるが、構造最適化を行うことで、性能向上につながる可能性が確認されている。これらの知見は、エネルギー学、材料化学、化学工学などの学問分野に貢献するため、学術的意義も大きいものである。また、本研究成果の先には、高耐久・高効率の発電デバイスへの応用が期待されるため、産業界への寄与は大きいものであり、社会的意義も大きいものである。
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