研究課題/領域番号 |
20K15415
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
濱田 良真 徳島大学, 先端酵素学研究所, 助教 (90805772)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 小胞体ストレス応答 / 統合的ストレス応答 / UPR / ISR / Th17細胞 / IL-17 / HTS / Th17 / EAE / ATF4 / 乾癬 / Th17細胞産生性サイトカイン / EAEモデル / 化合物スクリーニング / 標的因子探索 |
研究開始時の研究の概要 |
ヘルパーT(Th)細胞は産生するサイトカインによってTh1、Th2、Th17、Tregに大分される。Th17細胞が産生するサイトカインは自己免疫性疾患や炎症性疾患の病因であることが知られている。天然物由来の化合物HalofuginoneがTh17分化を抑制することが報告された(Science, 2009)。申請課題では北里大学の天然物由来のライブラリーをスクリーニングすることで新規Th17分化抑制剤を同定し、Th17が病因の疾病に対する治療薬の基盤を作る。
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研究成果の概要 |
統合的ストレス応答(ISR)キナーゼを介したTh17分化阻害により、IL-17病原性疾患の治療薬の基盤を作ることを目標としている。ISRレポーター細胞を用いたHTSより、ISRを活性化するNigericin(Nig)を同定した。Nigはミトコンドリア膜電位を変化させOMA1-DELE1-HRIシグナルを活性化していることを明らかにした。マウスの脾臓やヒトの血液からCD4+ T細胞を抽出し、Th17へ分化させた。対照群はIL-17分泌が検出されたが、分化誘導時にNigを共投与した群ではIL-17の分泌が抑制された。EAE病態および乾癬誘導実験においても、Nigにより病態が改善された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
北里大学の化合物ライブラリーをISR応答性レポーター細胞でスクリーニングし、低濃度で強力にISRを活性化できるNigを同定した。ヒト由来、マウス由来細胞のタンパク質レベルでもISRを活性化できたことから、高精度なISRレポーター、及び北里大学の化合物ライブラリーの有用性の学術的意義は大きい。北里大学天然化合物ライブラリーはノーベル賞を受賞した大村智先生が構築しており、スクリーニング用に広く提供されている。広範な研究分野で実績を上げており社会的な注目度も高い。今回の研究成果はISRがTh17関連疾患の標的になることを強く示唆しており、Th17関連疾患の治療薬、悪化予防薬への期待ができる。
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