研究課題/領域番号 |
20K15417
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2021-2022) 熊本大学 (2020) |
研究代表者 |
朝光 世煌 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 訪問研究員 (70849091)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | RNA高次構造 / 神経細胞 / 分子プローブ / マウス脳 / 中枢神経 / 核酸高次構造 / グアニン四重鎖 / グアニン四重鎖(G4) / G4RNAプローブ / RNAターゲティング |
研究開始時の研究の概要 |
生体内のRNAは多様な高次構造をとることが知られている。特にグアニンを豊富に含む配列において、非常に安定な4本の鎖からなる四重鎖構造(G4RNA)が形成されることが明らかになっており、RNAプロセシング・翻訳プロセスの多様性に影響を与える因子であることが示唆されてきた。一方で、G4RNAは遺伝子疾患・神経疾患の病態に関与することも指摘されているが、神経機能に与える影響の大部分は未だ解明されていない。本研究課題では、神経細胞で形成されるG4RNAの同定とその細胞内動態からの理解を目的とし、遺伝子工学的応用可能な特定G4RNAを追跡するプローブの開発とマウス脳組織への応用を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、連続したグアニンを豊富に含む配列で形成されるグアニン四重鎖 (G4) 構造の分子神経科学的役割の解明を目指し、G4構造を探索可能なプローブの開発とそれを用いてマウス脳・マウス初代神経細胞における機能解析を行った。その結果、G4構造を認識する新規ペプチドプローブを駆使した種々の分子生物学的解析により、G4構造を含むメッセンジャーRNAが細胞内相分離体であるストレス顆粒に集積しやすいことを見出した。また生化学・電気生理学的解析により、G4構造が機能的なストレス顆粒の形成に必須であり酸化ストレス下での神経細胞の恒常性維持に重要な役割を担うことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
G4構造は、細胞内の局所環境の変化・化学修飾・相互作用因子等、多くの要因によってダイナミックな形成挙動を示す。本研究によって得られた知見を加味すると、G4構造を足掛かりとする緻密なRNA制御機構がストレス顆粒を含む多くの細胞内相分離体の機能的な形成に貢献することが示唆された。またストレス顆粒は筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の神経変性疾患の発症要因と密接に関与している。本研究成果はストレスが関与する多くの疾患の治療薬開発の一助となることが期待される。
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