研究課題/領域番号 |
20K15430
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
江口 友佳子 金沢大学, ダイバーシティ推進機構, 特任助教 (60838506)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 原核細胞オルガネラ / オルガネラ内部環境制御 / 磁性細菌 / バイオミネラリゼーション |
研究開始時の研究の概要 |
オルガネラの内部環境は、その機能発現のために精密に制御されている。磁性細菌は膜小胞の中に磁鉄鉱結晶を生合成することで、地磁気を感知するための原核細胞オルガネラ「マグネトソーム」を形成するが、その内部環境の制御機構は未解明である。本研究ではマグネトソーム内部のpHの制御機構に焦点をあて、pHの制御への関与が期待される輸送体蛋白質およびマグネトソーム表面蛋白質の機能を解析する。本研究により、磁性細菌のマグネトソーム内部のpHがどのように制御され、pHの制御が磁鉄鉱の生合成にどのように寄与するかを明らかにし、マグネトソームの内部環境制御機構の一端を解明する。
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研究実績の概要 |
磁性細菌は膜小胞の中に磁鉄鉱結晶を生合成することで、地磁気を感知するための原核細胞オルガネラ「マグネトソーム」を形成するが、その内部環境の制御機構は未解明である。本研究では、磁性細菌のマグネトソーム内部のpHがどの蛋白質によってどのように制御され、pHの制御が磁鉄鉱の生合成にどのように寄与するかを明らかにし、マグネトソームの内部環境制御機構の一端を解明することを目的とする。 2022年度は、2021年度に引き続き、マグネトソーム内部のpH制御に関わると考えられる輸送体蛋白質MamNおよびマグネトソーム表面蛋白質MamAをコードする遺伝子欠失株において生育段階によるマグネトソームのpH変化を調べるため、磁性細菌を培養しながら経時的にpHを測定する方法の検討を行った。顕微分光装置を用いた方法では観察時間を通して安定した測定結果を得ることができなかったため、透過波長域の異なる蛍光フィルター用いる方法を考案した。2種類の蛍光フィルターを用いて蛍光イメージを取得し、蛍光強度の比をマッピングすることで視野内の細胞のpHの分布を調べることができれば、経時的な測定が容易になると考えた。この方法に使用する蛍光フィルターの検討を行ったが、蛍光シグナルのノイズが大きく、較正に難航したため、より特異的な蛍光フィルターを用いる必要が生じた。 また、大腸菌におけるMamNの発現系を構築し、MamNを発現させた大腸菌膜小胞を用いて、MamNの輸送体活性を検証する計画であったが、構築した発現系においてMamN蛋白質の産生が確認できなかった。そのため、コールドショック発現系を用いるなど、引き続き発現条件の検討が必要である。 その他、磁性細菌における蛍光イメージング法に関連する研究成果を、国際学会および研究論文にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
エフォートの大幅な下方修正により、研究遂行の基盤となる生細胞内の経時的なpH測定法の確立および、In vitroでの輸送体機能解析に向けた蛋白質発現に難航しているため、遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況に鑑み、研究期間を2023年度まで延長した。2023年度は、生細胞内の経時的なpH測定法の確立および大腸菌における輸送体蛋白質の発現系を実現し、マグネトソーム内部のpH調節に関与していると考えられる蛋白質の機能解析へ繋げる。
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