研究課題/領域番号 |
20K15439
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
西山 辰也 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (10759541)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 有機触媒 / グラナチシン / アクチノロージン / 放線菌 / actinorhodin / organocatalysts / streptomyces / oxidation / crystallization / 有機触媒(Organocatalysts)) |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は低分子で触媒活性を示す生体分子を発見した。これは放線菌が生産する抗生物質として知られるものである。さらに、これらはその生合成クラスター中の分泌タンパク質と結合し細胞外に存在している。ここでは、低分子触媒の普遍性の実証と生理・生態学的役割を解明することを目的として、特に分泌タンパク質と結合する現象を手がかりにして、以下の3点を展開する。①活性と遺伝子情報の検索によって未知の低分子触媒を同定 ②触媒分子が生産菌ならびに他の微生物に及ぼす影響の調査 ③複合体の結晶構造解析による相互作用機序の解明。これらを通じて、放線菌二次代謝産物の機能と役割に関する全く新しい研究分野を拓く。
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研究成果の概要 |
生物由来の有機触媒の普遍性の実証、生理・生態学的役割解明を目的とし、(1)未知の有機触媒の探索、(2)触媒が他の微生物に及ぼす影響の調査、(3)有機触媒―結合タンパク質複合体の結晶構造解析、を実施した。結果は以下である。(1)希少放線菌や海洋放線菌から有機触媒合成遺伝子群を発見した。また、強い触媒活性を有する菌を自然界から複数株単離した。(2)触媒添加、無添加条件で菌の生育を比較した。その結果、複数株で表現型に違いが見られた。(3)その構造には有機触媒結合部位と思われるポケットが確認された。また、結合に関わると推測されるアミノ酸の変異タンパク質の発現にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酵素、リボザイムは生体触媒として知られるが、有機触媒もまた生体触媒であることが明らかとなった。しかし、生体触媒としての有機触媒の生理的な意義については不明なままである。本研究を実施し得られた成果は、生物が広く有機触媒を生産していること、またそれを感受する生物がいることを示唆するものである。また、自己の生産するタンパク質と有機触媒とは結合することが明らかとなり、これは低分子有機化合物―タンパク質の新規な相互作用を想起させる。
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