研究課題/領域番号 |
20K15440
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
鈴木 祥太 立教大学, 理学部, 助教 (00792714)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 溶原性ファージ / 相同組換え / 溶原化 / 部位特異的組換え / 枯草菌 / ファージ / SPβ / インテグラーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
溶原性ファージは感染後、自らのゲノムを細菌ゲノムの内部へ組み込む。この組み込みは、ファージ由来の部位特異的組換え酵素(Int)によるファージゲノム標的部位(attP)と細菌ゲノム標的部位(attB)との間の組換えにより生じる。一方、研究代表者の予備的研究より、モデル微生物の枯草菌に感染するSPβファージが相同組換えでも溶原化を確立し、誘発によりファージ粒子を形成することを見出した。本研究では、SPβの相同組換え機構について、①関連因子の同定、②in vitro再構成によるメカニズムの解明、③本機構の普遍性の探求を行うことで、溶原性ファージに隠されていた新たな溶原化機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
枯草菌ファージSPβは宿主に感染すると自らのゲノムにコードされる部位特異的組換え機構(SSR)により宿主ゲノムへ組み込まれる。一方、宿主ゲノムの組込み部位を欠失するとSPβゲノムに存在する相同領域を介して組み込まれことが示された。本研究はSPβの相同組換えが生じる相同領域の選好性、SPβゲノムに潜在する相同組換えに関与する因子の探索、および相同領域のSPβにおける機能の解析により、ファージの組込み機構として利用される相同組換えの特性を示す。また組換え頻度の高い相同領域が接合伝達因子ICEBs1による不稔感染機構に関与する可能が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年バクテリオファージは、宿主特異的感染や短時間で膨大な数の増殖が可能である特徴を利用してファージセラピーやゲノム合成など医学や合成生物学の分野に応用され注目されている。SPβファージの溶原化機構における相同組換えの利用およびその特性を示し、可能性遺伝因子(ICE)による不稔感染に相同領域が関与する可能性を見出した本研究成果は、ファージの研究分野および外来因子間における宿主感染戦略の理解に新しい知見として貢献できるものであり学術的に意義があると考える。またpSSβベクターを利用した有益な形質の一時的な導入と任意の時期に形質を戻せる可逆的形質転換系は枯草菌の育種や工業的な応用が期待される。
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