研究課題/領域番号 |
20K15447
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 俊也 東北大学, 工学研究科, 学術研究員 (00825226)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | イオンチャネル / 植物 / リン酸化酵素 / 膜タンパク質 / 電気生理学 / タンパク質修飾 / 生体内シグナル分子 / 質量分析 / カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
近年, 乾燥・病害などに対応できる植物の創生が世界的に求められている。その実現には気孔の開閉を環境に合わせて最適化することが不可欠であるが, 各種ストレスに応じた気孔のキナーゼ(リン酸化酵素)-イオンチャネル(イオン輸送体)間シグナルは一部しか解明されておらず, 複合ストレスに対する植物の応答解析も既存の方法では困難である。そこで, ・ホスホプロテオミクス解析による, 各種ストレス下における気孔のキナーゼ-イオンチャネル間シグナルの全貌の解明 ・独自の蛍光プローブを用いた, 様々な複合ストレスに対する気孔の応答解析 を試み, 得られた知見を統合することでストレス耐性植物創生の基盤を作ることを目指す。
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研究成果の概要 |
当初予定していた孔辺細胞プロトプラストを用いたホスホプロテオミクスおよび蛍光プローブを用いた実験は、実験プロトコルの最適化やプローブの実用化が難航を極め断念せざるを得なかった。しかし代替案としての卵母細胞や酵母を用いた実験、さらに共同研究先より共有させていただいた実験データから、SLAC1・KAT1・また他のK+チャネルにおける未知のリン酸化部位が判明した。今後これらの部位に対して電気生理的な解析を行う予定である(SLAC1については既に完了)。さらに、本研究の一環としてSLAC1の活性化因子についても調査した結果、気孔外に発現するにもかかわらず気孔開閉を制御する特殊な因子を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回研究成果として同定されたチャネルのリン酸化部位はいずれもまだ報告例がない部位である。このうちSLAC1に関しては電気生理測定での解析を完了している。過去の報告と照らし合わせると、SLAC1のリン酸化制御は1・2残基によって決まるのではなく、十数個の残基の間でリン酸化が微妙なバランスで行われることによって制御されている可能性が高く、このバランスをどう制御していくかが重要と判明した。KAT1とその他チャネルについては今後解析を続ける。また「気孔外に発現するにもかかわらず気孔開閉を制御する因子」については、全く新しいアプローチで気孔の開閉を制御する鍵となり得るため、今後の解析が特に重要である。
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