研究課題/領域番号 |
20K15448
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
和氣 駿之 東北大学, 工学研究科, 助教 (10793705)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | フラボノイド / カルコン / 二次代謝 / メタボロン / タンパク質間相互作用 / カルコン合成酵素 / カルコン異性化酵素類似タンパク質 / 活性制御 |
研究開始時の研究の概要 |
フラボノイド生合成の初発酵素であるカルコン合成酵素(CHS)は,その機能の重要性にもかかわらず,生成物特異性が低いことが知られていた.近年,CHSの生成物特異性のあいまいさを矯正しカルコン生成活性の増強に寄与する相互作用タンパク質(カルコン異性化酵素類似タンパク質,CHIL)が見出された.本研究では,CHILとCHSの相互作用様式やCHILによるCHS活性制御機構の解明を通し,陸上植物に進化的に保存されたフラボノイドの高効率生合成の分子基盤を明らかにする.
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研究成果の概要 |
フラボノイド生合成の初発酵素であるカルコン合成酵素(CHS)は,その機能の重要性にも関わらず,試験管内での反応では生成物特異性が低いことが知られていた.近年,我々はCHSとの相互作用タンパク質としてカルコン異性化酵素類似タンパク質(CHIL)を見出し,CHILはCHSの生成物特異性のあいまいさを矯正し,フラボノイド生合成に必須なカルコンを優先的に生成するように作用すること,このCHILの機能が陸上植物に広く保存されていることを明らかにした.本研究では,CHS-CHILの複合体構造およびタンパク質間相互作用を介したCHILによるCHSの活性制御機構の一端を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フラボノイドは陸上植物に普遍的に蓄積する植物特化代謝産物であり,植物の生存戦略だけでなく,食品に含まれる機能性成分としても重要な化合物群である.CHSはこのフラボノイド生合成に必須な鍵酵素であり,CHSもまた陸上植物に普遍的に保存されている.したがって,本研究成果によるCHSの活性調節機構の解明は,植物において進化的に保存されたフラボノイドの生産機構の理解やその生産制御に重要な知見となる.また,本研究成果は,タンパク質間相互作用を介した酵素の特異性あいまいさの矯正機構として非常にユニークなものであり,今後,相互作用を介した酵素の活性調節機構を解析する基盤となることが期待される.
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