研究課題/領域番号 |
20K15451
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
高瀬 翔平 東京薬科大学, 生命科学部, 研究員 (60827400)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | エピジェネティクス / ケミカルバイオロジー / ヒストンメチル化酵素G9a / 阻害剤 / 鎌状赤血球症 / グロビンスイッチング制御機構 / HUDEP-2 / ヒストンメチル化酵素 / 貧血病 / グロビンスイッチング |
研究開始時の研究の概要 |
鎌状赤血球症(SCD)は、ヘモグロビン(Hb)を構成するβ鎖の点変異によって酸素運搬能の低いHb(HbS)が産生されるために引き起こされる貧血症である。その治療戦略は、出生後から発現抑制されているγ鎖の胎児型グロビン遺伝子を再活性化させ、HbSの代わりに正常な酸素運搬を可能にすることである。このグロビンスイッチングは、エピジェネティクス制御因子によって調節されていることが示唆される。そこで、本研究は、エピジェネティクス制御因子による胎児型グロビン遺伝子の再活性化機構の解析を行う。
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研究成果の概要 |
鎌状赤血球症の治療戦略は、胎児型グロビンの再活性化誘導である。本研究はヒストンメチル化酵素G9aに着目し、その再活性化機構の全貌解明を目指した。開発したG9a阻害剤のin vivo解析では、1週間連続投与で胎児型グロビンの再活性化が見られ、4週間後でも顕著な異常は観察されなかった。また、この再活性化制御機構の主要な転写抑制因子とG9aの関係性を評価した結果、G9aは転写因子の発現量に寄与しない一方で、グロビン遺伝子座へのリクルートを制御していることが示唆された。加えて、RNA-seq解析はG9a阻害による再活性化機構にBGLT3の発現が関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胎児型グロビン遺伝子の再活性化剤として現在までに認可されている鎌状赤血球症の治療薬はヒドロキシアウレアのみである。しかし、この治療薬においても詳細な再活性化メカニズムがわかっていない。本研究成果は、鎌状赤血球症治療薬としてのG9a阻害剤の有用性を示し、この制御機構におけるエピジェネティクス制御因子G9aがどのように関与するのか、その一端を解明することができた。したがって、本成果は鎌状赤血球症における新たな治療薬開発の一助となり、今後の人類の健康に貢献するものである。
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