研究課題/領域番号 |
20K15454
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021) 東京農工大学 (2020) |
研究代表者 |
谷藤 涼 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10866205)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 化学-酵素ハイブリッド合成 / マクロ環 / エクテナサイジン743 / 中分子 / 核酸-タンパク質間相互作用 / マクロ環含有リガンド / 三成分複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
化学合成と酵素合成を融合し、新たな抗腫瘍薬となり得る中分子群を創出する。既に抗腫瘍薬として世界的に利用されているエクテナサイジン743に着想を得た、新規な分子骨格を考案した。本分子群は、細胞内のDNAをアルキル化しながら近傍のタンパク質とも相互作用する能力を発現する。各種腫瘍細胞にのみ存在するDNA配列/タンパク質の組み合わせを狙い撃ちして、正常細胞に悪影響を及ぼさない中分子群を開発する。
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研究成果の概要 |
DNA-中分子-タンパク質の三成分複合体形成を鍵とした転写制御に向け、悪性軟部腫瘍の治療薬として臨床応用されている天然物エクテナサイジン743に着想を得たマクロ環含有中分子群を設計・合成した。合成困難な五環性の天然物母骨格については、生合成酵素SfmCを活用した化学-酵素合成の開発を進めた。8種の基質アナログを合成し、酵素変換を検討したところ、当初予想していた以上の基質許容能を示し、全ての基質アナログが対応する五環性骨格を変換されることを明らかにした。また、設計したマクロ環含有中分子群について、半合成によるマクロ環構造の構築・多様化とコンセプト実証を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で設計・合成した中分子群は、母骨格にてDNAを可逆的にアルキル化しながら、マクロ環とそれに連結したユニットで核内タンパク質とも相互作用が可能と考えられる。各ユニットを多様化した中分子群の構造と活性の相関を取得は、未だ発展途上と言えるDNA-タンパク質間相互作用の選択的制御法の開発に向けた、合理的な分子設計を可能とする。生合成酵素を活用したハイブリッド合成法により、構造の複雑性に起因する供給における課題も解決可能である。
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