研究課題/領域番号 |
20K15456
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
竹内 純 静岡大学, 農学部, 准教授 (00776320)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | アブシシン酸 / 受容体アゴニスト / 光安定性 / 植物ホルモン / 植物 / 有機化学 / 生理活性 |
研究開始時の研究の概要 |
アブシシン酸(ABA)は植物の環境ストレス耐性誘導を担っている植物ホルモンであることから,植物成長調節剤としての農業利用が期待されてきたが,未だその実用化がなされていないのが現状である。この主な要因は,ABAの光安定性の低さと代謝不活性化の速さである。そこで本研究では,ABA受容体と代謝不活性化酵素CYP707Aの構造要求性の知見に基づいて,ABAよりも光に安定で且つ代謝不活性化されにくいABA受容体アゴニスト/アンタゴニストを創出する。
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研究成果の概要 |
アブシシン酸(ABA)は植物の環境ストレス耐性誘導を担っている植物ホルモンであり,長年農業への利用が期待されてきたが,未だその実用化には至っていない。この要因の一つは,ABAの光安定性が低いことであり,これは側鎖ジエン構造のE/Z異性化とシクロヘキセノン環部α,β-不飽和カルボニル基の重合・分解に起因している。本研究では,ABA受容体(PYL)の立体構造に基づいてABAを構造改変することで,これらの構造的要因を出来るだけ取り除いたABAアナログ,BP2Aシリーズを設計・合成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにも,ABAの光安定性を向上させ,植物成長調節剤としての農業利用を目的に複数のABAアナログが合成されてきたが,それらの多くでは生物活性が著しく低下したことから,いずれも実用化には至っていないのが現状である。本研究で合成したMe 1',4'-trans-diol-BP2Aは,UVBおよび日光照射下で殆ど分解されることなく,シロイヌナズナの発芽抑制や乾燥耐性誘導に対しては高いABA様活性を示した。これらの知見は,長年期待されてきた環境ストレス耐性付与剤としてのABAアナログの農業利用を強力に推進するものである。
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