研究課題/領域番号 |
20K15458
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 (2021-2023) 大阪大学 (2020) |
研究代表者 |
黒原 崇 国立医薬品食品衛生研究所, 食品添加物部, 研究員 (90865776)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | RNA分解誘導剤 / ビスマス錯体 / キメラ分子 / 触媒 / RNA分解 / リン酸エステル分解 / ノンコーディングRNA / 錯体 / RNA選択的分解 / RNA / 有機化学 / ケミカルバイオロジー / ncRNA / 創薬 / 創薬有機化学 |
研究開始時の研究の概要 |
ノンコーディングRNA(ncRNA)は、タンパク質へと翻訳されることなく生理機能を示すRNAであり、その機能解明と創薬の標的化が求められている。RNAの機能を抑制し、遺伝子の発現を制御する方法として、RNA干渉が広く知られているが、20以上の塩基数が必要であることなど、分子量や物性の観点からも医薬への応用には種々の問題点が挙げられる。 そこで本研究では、RNAを認識する部位とRNAを分解する触媒部位から構成される、低分子化合物を設計・合成し、生物学的実験によりncRNAの機能解明への応用と創薬への応用を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、RNAの分解触媒とRNAに結合する分子のコンジュゲートによる、標的RNAの触媒的分解の実現に向け、特にRNA分解触媒の開発を行った。初期検討では、RNAモデル分子であるHPNPPと、それに対応するDNAモデル分子を用いた評価系を構築し、RNAの分解活性が期待できる二核ビスマス錯体を見出した。さらに、よりRNAに近いオリゴヌクレオチドでのRNAおよびDNA分解評価系を構築し、二核ビスマス錯体の構造最適化を行うことで、RNAを選択的に分解する錯体を見出すことができた。将来的には、RNAに結合する低分子とのキメラ化が期待され、新たな創薬モダリティの輩出に貢献する成果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、RNA分解を誘導する低分子キメラ化合物の開発に必要な、RNA分解触媒の開発を行った。既存のRNA制御はRNA鎖のような高分子を用いる干渉法に依存していることから、本法はRNA制御法の新しい一手となる。まず、医薬品開発の観点としては、従来の創薬標的のほとんどはタンパク質であり、標的の枯渇が社会的な課題である。そのため、RNAを標的にする技術開発は、新たな創薬モダリティとして期待できる。さらに、非コードRNAのように生体での機能が十分に解明されていないRNA種も数多く知られていることから、RNAのノックダウン技術は、生命現象を解明するツールとしても学術上有用であると考えられる。
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