研究課題/領域番号 |
20K15462
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
増井 悠 名古屋大学, 創薬科学研究科, 助教 (70714377)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 有機合成化学 / 生合成 / 気液反応 / ヒドロホルミル化 / ピロリジジンアルカロイド / 分子内マンニッヒ反応 / 生合成模倣的合成 / 分子内マンニッヒ / マンニッヒ反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、骨格多様性指向型戦略に基づき、医薬品候補化合物として有用なコカアルカロイド(ピロリジン含有アルカロイド)の網羅的な合成を目的とする。すなわち、コカアルカロイドの生合成において頻出する分子内マンニッヒ反応を駆使し、アミノアルデヒドから一挙に複数の環を構築する。本法は三次元的に多様な骨格の構築法として独自性が高い。また、本手法は従来合成されていない非天然型医薬品化合物も創り出すことが可能である。従来法では調製に多段階の反応を要した出発原料のアミノアルデヒドは、申請者が独自に開発したアリルアミン類縁体のヒドロホルミル化によって合成する。
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研究成果の概要 |
本研究は、医薬品候補化合物として有用なコカアルカロイドの網羅的な合成を目的としている。目的物の複数の環はアミノビスアルデヒドから生合成模倣的に分子内マンニッヒ反応を利用して一挙に構築することとした。 アミノビスアルデヒドはジアリルアミンBoc保護体のヒドロホルミル化によって合成した。条件検討の結果、溶媒としてトルエンやDMFを用い、触媒配位子としてキサントホスを用いた際に最も良好な収率(82%)で目的物が得られた。 合成したジアルデヒドの分子内マンニッヒ反応を検討した。プロリンを用いた際に目的物が中程度の収率で得られた。本手法は生合成模倣的にピロリジジンアルデヒドを合成した世界初の例である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピロリジジンアルカロイドは医薬品候補化合物として有用な化合物群であるが、これまで多様性を志向した合成手法はわずかしか開発されていない。研究成果は上記医薬品候補化合物の網羅的な合成に大きく貢献する。 また、一般的にsp3原子を多く含む凹凸に富んだ化合物は医薬品において重要である。特にsp3原子を多く含む化合物ほど医薬品として承認される割合が多くなることが知られている。しかしながら、このような化合物は合成手法が確立されておらず、化合物ごとに合成化学者が多大な労力を費やして合成手法を開発する必要があった。本研究成果はsp3原子を多く含む環状化合物に対して広く活用できる手法であり大きな意義がある。
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